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若者をとりこにする「テキサスホールデム・ポーカー」が日本でもブレークの兆し

2019年08月15日 06時00分更新

文● 松嶋千春(ダイヤモンド・オンライン

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カジノ産業と若者の関わりを探るシリーズ企画の第5弾は、消費者としての若者に注目する。近年、ネット番組やスマホアプリなどギャンブル関連のコンテンツが多方面で登場している。そんななか、最近日の目を浴びるようになったのが、日本ではなじみの薄い「テキサスホールデム・ポーカー」。このゲームに青春を注ぐ学生たちに、その魅力を聞いてみた。(清談社 松嶋千春)

開かれた手札と
隠された手札の駆け引き

テキサスホールデムポーカーのプレイシーン
日本ではあまりなじみのない「テキサスホールデム・ポーカー」。ギャンブルとしてではなく、競技としての面白さに目覚める人が増えている Photo:PIXTA

 このところ、「テキサスホールデム」というジャンルのポーカーを扱ったコンテンツが増加中だ。AbemaTVのレギュラー番組『GACKTプロデュース!POKER×POKER』や、2019年に全国のゲームセンターで稼働予定のネット対戦ポーカー『ポーカースタジアム』(バンダイナムコアミューズメント)も、このゲームを採用している。

 日本では手元の5枚の手札で役を作る「ドローポーカー」がおなじみだが、「テキサスホールデム・ポーカー」は、手元の2枚と場に開かれた5枚の手札を組み合わせて役を作るポーカー。海外のカジノや国際大会における主流はこちらであり、ドローポーカーよりも駆け引き要素が強くなっている。東京工業大学のポーカーサークル「TitechPoker」のメンバーは、テキサスホールデム・ポーカーの魅力を次のように語る。

「自分の手札の強さをアピールして相手を勝負から降ろしたり、逆に引き際を見極めて先に勝負から降りたり、そういった心理戦の駆け引きがこのゲームの難しさでもあり、醍醐味ですね。始めた当初は『ルールが難しくてつまらない』と思ってポーカーから離れた時期もありましたが、今では『難しいけど面白い』に変わりました」(東京工業大学 鈴木さん)

 例年100人ほどの学生が参加するポーカートーナメント「学生ポーカー選手権」は、サークルを挙げて力を入れる大会のひとつだ。2019年開催の第7回大会に参加したメンバーは、技術と運の要素が絡むゲームならではのエピソードを話す。

「長い年数プレーしている面々がいるなか、ポーカー歴1年のサークルのメンバーが上位入賞したんですよ。もちろん、まじめに取り組んだ結果でもあるんですが、技術100パーセントのゲームと違って、レベルの高い相手にだって運が良ければ勝てることもあるということ。どんな相手であれ『自分でもいけるかも』という可能性を感じられることは、モチベーションにつながっていますね」(同 松井さん)

競技・娯楽としてのポーカー
高校生の間でも認知広がる

 2014年4月にポーカー好きの2人が立ち上げた同サークルは、5年かけて増減を繰り返し、学部2年生以上でコンスタントに活動を続けているメンバーは現在24人となった。

「週2回の学内練習では、メンバー同士で教え合ったり、計算ソフトなどの道具を使ってポーカーのスキルを高めています。旅行先で実際のカジノに行ってポーカーを楽しむメンバーもいますけれど、基本的には、ギャンブル的な面白みというよりも、競技としてポーカーに取り組んでいます」(松井さん)

 2019年度は、新入生42人が加入した。例年「ポーカー未経験」「ルールは知らない」という人が大半だが、今年は新しい傾向が見られたという。

「テキサスホールデム・ポーカーをやったことがある、知っているという新入生が増えた印象です。ゲームアプリでオンライン対戦をしている人もちらほら。知名度が全然ないと思っていましたが、高校生の間でも少しずつ広がっているのかもしれません」(鈴木さん)

競技ポーカーで
日本のカジノが沸く未来

 同サークルは創設以来、大学祭で一般の来場客にポーカーを体験してもらう企画を続けている。子どもから大人まで、訪れる客層は幅広い。

「こういった活動を通じて、スキルゲーム・マインドスポーツとしてのポーカーの認知を広げるお手伝いができたらうれしいです。また、せっかく新入生がたくさん入ってくれたので、できるだけ長く続けてもらって活動を盛り上げていきたいですね」(松井さん)

 大会も練習も強制参加ではないからこそ、ポーカーとの向き合い方はさまざまだ。学内練習よりもアミューズメントカジノに注力するメンバーもおり、外のポーカープレーヤーと交流できる貴重な場となっているそうだ。

「競技として追究するのも、仲間と楽しくしゃべりながらゲームするのも好きですが、なによりここでの活動を通して得た交友関係を大事に思っています。大学卒業後は競技から離れるかもしれないけれど、数年後に日本のカジノで大会が開催されたら行ってみたいとも思います。いずれにせよ一生続けられる趣味として、ポーカーは続けていきたいですね」(鈴木さん)

 日本にカジノができる頃には、テキサスホールデム・ポーカーはマインドスポーツとしてどれほど市民権を得ているのだろう。部活動で若者がプレーすることが当たり前になり、世界各国のカジノで開かれている賞金制のポーカートーナメントで、多くの若手日本人プレーヤーが会場を沸かせる日がくるのは、そう遠くないのかもしれない。


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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