このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 5 次へ

業界人の《ことば》から 第356回

「空飛ぶクルマ」実用化のカギは、震災被害を被った福島に

2019年08月16日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

政府もルール作りを検討か

 福島ロボットテストフィールド所長を務める東京大学の鈴木真二名誉教授は、「空飛ぶクルマによって、人類は新たな移動手段を獲得しようとしている。だが、新たなモノを社会に実装するにはさまざまな壁を超える必要がある」と前置きし、

 「ライト兄弟は、米ノースカロライナ州キティーホークの砂地で、墜落を繰り返しながら実験をした。空飛ぶクルマも我々が使いこなすには、実証実験が必要である。つまり、福島ロボットテストフィールドは、ライト兄弟のキティーホークの砂地に相当する場所になる。空飛ぶクルマに実装に向けて、両県による協定が第一歩になることを期待している」と語った。

福島ロボットテストフィールド所長の東京大学・鈴木真二名誉教授

 政府では、空飛ぶクルマの実現に向けて、福島ロボットテストフィールドを活用することで、試験飛行の許可の緩和や、実用化を視野に入れた実証実験の加速、あるいは実現を踏まえた制度や体制整備を後押し、社会に受容されるためのルールづくりをする考えを示す。

 世界に先駆けた空飛ぶクルマの実現には、被災地に生まれた福島ロボットテストフィールドが果たす役割が大きい。

前へ 1 2 3 4 5 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ