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行動科学マネジメントでトレーナーもスキルアップ

英語学習は継続がカギ「行動科学マネジメント」で続ける技術に迫る

2019年08月26日 11時00分更新

文● 飯島秀明 編集●飯島恵里子/ASCII 撮影●髙橋 智

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左からスタディーハッカー 取締役 田畑翔子氏、ウィルPMインターナショナル 上席コンサルタント兼上席インストラクター 甲畑智康氏

 ビジネスの現場で、英語力を問われる場面が日常化して久しい。英語力の向上に一刻の猶予も許さないのに、忙しい社会人が英語学習に割ける時間は限定的だ。

 社会人を悩ますこのジレンマを、最短で最大の効果を上げる「時短型英語学習」で、鮮やかに解消してくれるのが、全国に14のスタジオを展開する英語のパーソナルトレーニングジム「StudyHacker ENGLISH COMPANY(以下、ENGLISH COMPANY)」である。

 実際、500点台だったTOEIC LRのスコアが、90日後には800点を突破していることも珍しくない。これを可能にしているのが、言語習得に関する先進的な学問である「第二言語習得研究」の知見に基づく科学的なトレーニングと、受講生を的確に導くスキルを持つパーソナルトレーナーの存在だ。

 人が母語以外の言語(第二言語)を習得していくプロセスやメカニズムを科学的に解明する学問が第二言語習得研究だが、ENGLISH COMPANYにはもうひとつ、受講生が直面しがちな問題を解決するために導入している科学的ノウハウがある。

モチベーションに依存せずとも学習継続は可能

 ENGLISH COMPANYを運営するスタディーハッカーの取締役、田畑翔子氏は次のように語る。

 「受講生が直面しがちな問題、それは学習継続の問題です。入会当初は誰でもやる気に満ちていますし、モチベーションも高い。ところが、時間が経つにつれて、どんどんトーンダウンしてしまう。優れたトレーニングメニューを用意しても、続かなくては意味がありません。モチベーションの波が、学習効果を左右してしまうこの状況を、なんとかしたい。そう考えていました」

 そんな時に存在を知ったのが「行動科学マネジメント」だった。行動科学マネジメントとは、今から約50年前にアメリカの心理学者B.F.スキナーが興した、行動科学という学問をベースに発展したものだ。個人の経験から発する属人的なノウハウとは一線を画す、実験と調査の積み重ねから導き出された科学的なノウハウにほかならない。

 ENGLISH COMPANYの決断は迅速だった。すぐさま日本における行動科学の第一人者、石田淳氏が代表を務める、ウィルPMインターナショナルに監修を依頼。どうすれば、モチベーションに依存することなく、英語学習を継続できるかに取り組んだ。

 ウィルPMインターナショナルで上席コンサルタントと上席インストラクターを兼務する甲畑智康氏は次のように指摘する。

 「じつは学習継続に、モチベーションは不要です。関係がないからです。重要なのは行動を習慣化させること。朝、歯を磨くのにモチベーションは要りませんよね。洗面台の前に立てば、意識せずとも一連の行動が自動的に遂行されます。それは歯磨きが習慣だからです。同様に英語学習も習慣化できれば、モチベーションに左右されることがありません」

 行動を習慣へと変える、第1のステップ。それはやるべき行動を可能な限り、細分化することだ。たとえば、ペットボトルの水をコップに注ぐという行動。具体的な行動に分解したところ、「27」にまで切り分けることができたと甲畑氏はいう。

 「まずペットボトルを、目で見る。次に利き手と反対の手で、ペットボトルを掴む。次に……といった具合に、行動を細分化しました。ペットボトルの水をコップに注ぐ行為を誰かに教える場合、普通は“最初にペットボトルを目で見る”とは教えませんよね。教える側は自明のこととして“普通にやればできるから”と言いがちです。しかし、それを初めて学ぶ人には、普通のことが普通ではない。何から手を付けていいのか分からず、逡巡し考え込んでしまう。考え込むことは、学ぶ者にとって負担です。挫折の要因にもなるでしょう」(甲畑氏)

 大事なのは、スモールステップを設けること。目的の行動を最小単位に分解し、その都度何をすれば良いのか、あらかじめ具体的に整理しておくことだ。やるべきことが決まっていれば、考え込むことなく、すぐに行動に移せる。考えずとも行動できる——これが行動の習慣化にほかならない。


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