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3人に1人は夏に太る!? 早めの「夏太り」対策を減量外来医が指南

2019年08月11日 06時00分更新

文● 松嶋千春(ダイヤモンド・オンライン

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夏は汗をたくさんかいて食欲が落ち、勝手に痩せるイメージがあるが、歳を重ねるにつれ「なかなか減らないな」と感じることも多くなってくるもの。ウーマンウェルネス研究会の調査によれば、夏に痩せる人よりも太る人のほうが約3倍多いという結果も。そこで、工藤内科の減量外来ドクター(内科医)、工藤孝文氏に中年の夏太りの原因と回避策を聞いた。(清談社 松嶋千春)

「汗をかいたら痩せる」
とは限らない!

肥満の人がかく汗に痩せる効果はありません。
肥満の人がかく汗は体温調節のためのもので、ほとんどカロリーを消費せず、痩せることにはつながらない Photo:PIXTA

 ウーマンウェルネス研究会が20~50代男女692人を対象に行った「夏季の体重変化」に関する調査では、「太った人」は31.6%、「痩せた人」は10.8%という結果に。いずれの年代も、夏太りした人は夏痩せした人の3倍にのぼり、30代では約4割が夏太りを経験していた。なぜこのような「夏太り」現象が起きるのか。

 工藤氏によれば、そもそも「夏場は汗をかくから痩せる」というのは短絡的な考えで、痩せやすいかどうかは、その人の「基礎代謝」にかかっているという。基礎代謝とは、体が平常時に消費するエネルギー量を指す。

「筋肉量が多いほど、基礎代謝が上がります。基礎代謝が良いと熱が発生し、単純な動きでも脂肪を燃焼しやすくなります。一方で、肥満で汗っかきの人の場合は、厚い皮下脂肪が断熱材の役割を果たし体の熱が体内にこもりやすく、体温調節のために大量の汗をかいてしまいます。体温調節のために汗をかく場合はほとんどカロリーを消費しないため、痩せる効果は期待できません」(工藤氏、以下同)

 基礎代謝量は加齢とともに減る。18~29歳と30~49歳の基礎代謝量を比較すると、男性は1日あたり50キロカロリー、女性は1日あたり40キロカロリーの差が出る。これを1年間の脂肪量に換算すると、男性は2.5kg、女性は2.0kgとなる。おのおのの基礎代謝量・活動量に見合った食生活を送らないと、日々の積み重ねでこれだけ太ってしまうということだ。「夏太り」は、その緩やかな上り坂の兆候といえるだろう。

「『汗をかいているから大丈夫』と過信して、管理がおろそかになっていないでしょうか。単純な体温調節のための汗ではなく、運動などで脂肪を燃焼してかく汗にこそ意味があります。『汗でびちょびちょになるから動きたくない』という気持ちもごもっともですが、運動やカロリーの取り方に気をつけて皮下脂肪を減らしてみると、汗の量も減ってきます」

一品ものの麺類ばかり食べると
夏太りが加速する危険性

 基礎代謝量を増やすには、前段で触れたように「筋肉量」が重要になるが、食事制限のみで達成するのは難しいようだ。

「運動をしない食事制限のみのダイエットは、筋肉量が減少し、基礎代謝が下がり、慢性的な冷えも招くため好ましくありません。太ももなどの下半身の大きな筋肉を動かす運動をすれば、効率的に基礎代謝を上げることができます。とくにスクワットがお勧めですが、エスカレーターの代わりに階段を使うだけでも違いますよ」

 夏場の食事は「食欲がないから」という理由で、そうめんやひやむぎなど一品ものの麺類ですませることも多くなる。こういった食生活は「夏太り」体質へ一直線だ。

「まず栄養が偏りますし、麺はあまりかまずに食べられてしまうので、食べ過ぎの原因になります。食べ過ぎると血流が胃腸に集中し、ほかの器官への血液供給が減って体が冷え、代謝活動を邪魔してしまいます。食欲がないときには、ナスやトマトなどの夏野菜を使った料理がお薦め。適度に内臓をクールダウンしてくれ、食欲が戻ります。その上で、筋肉のもとになるたんぱく質やビタミンをバランス良く摂取すればバッチリです」

体の冷え対策をしつつ
自律神経を整える生活習慣を

 血行不良からくる「体の冷え」は、基礎代謝アップの妨げになるそうだ。体温が下がると、免疫力が低下し体調を崩しやすくなる。その上、汗をかきづらいため体内に余分な水分がたまり、むくみやすくなるという最悪のコンボが発生する。

「暑い日のキンキンに冷えた飲み物は最高ですが、体の冷えと脱水症状を引き起こす場合もあるため、体温以下の飲食物は取り過ぎないようにしましょう。また、高温の屋外と冷房の効いた屋内の行き来による『寒暖差疲労』も、自律神経の乱れを招くので要注意です。上着や羽織れるものを持ち歩き、快適に過ごせるよう、適宜調節しましょう」

 自律神経というワードが登場したが、自律神経を整えるルーティンを生活に取り入れることも基礎代謝のアップにつながる。入浴は、ぬるめの湯船に10~20分ほどつかることで副交感神経優位となって自律神経が整い、リラックス効果が期待できる。深呼吸や、末端から心臓に向かって手のひらで優しくなでるリンパマッサージも自律神経を整えるのに有効だという。

「夏太りを放っておいたまま秋に突入してしまうと、食欲の秋や冬のお正月太りも積み重なり、体重は増加の一途をたどります。今からしっかり対策を考え、できることから習慣化していき、1年間太りにくい体作りを目指しましょう 」


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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