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東京五輪チケット追加抽選、隠れた目玉競技と買ってはいけない競技

2019年08月08日 06時00分更新

文● 小林信也(ダイヤモンド・オンライン

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東京五輪チケット追加抽選
いよいよ東京五輪チケットの追加抽選が開始。スポーツライターが教える申し込み方のコツとは? Photo:DOL

 東京五輪チケットの通称「セカンドチャンス」の申し込み受付が8月8日から始まった。受付期間は8月19日の11時59分まで。抽選発表は9月11日だ。

 正式名称は、東京五輪入場券『第1次抽選の追加抽選販売』。他者が持つ権利などの関係で、当初すっかり定着した「セカンドチャンス」の呼称は使えないらしい。

不思議なトラップに要注意
間違った申し込みでも「アラートが出ない」

「1枚も当選されなかった方が対象」とサブタイトルが付けてあるとおり、前回第1次抽選に申し込みながら当たらなかった人だけが申し込める。当選した人もシステム上は申し込めるが必ず落選になるという。当選した人が申し込んだら、「あなたは申し込み資格がありません」と出ればいいのに。

 もう1つ、不思議なトラップがあるから注意が必要だ。今回は1セッションしか申し込めない。ところが、システム上は2セッションでも申し込めるのだという。たぶん、システムの手配が間に合わなかったのだと推測される。うーむ、大丈夫かとちょっと心配になる。組織委員会側の不手際のため誤って2セッション申し込んで落選する人がいないよう願うばかりだ。

 ちょっとわかりにくいが、「第2希望」の申し込みは可能だ。第1希望で選んだ席が外れた場合、「カスケードサービス」を選択すれば、自動的にひとつ下のランクの席でも抽選が行われる。もちろん、両方とも外れる場合もある。

 また、第2希望は、もう1つ別の選択方法がある。カスケードサービスを選ばずに、まったく別の種目やセッションを選ぶ「第2希望選択サービス」だ。例えば第1希望はサッカー、第2希望はホッケーを選ぶことができる。

野球、ソフトボール、サッカーも追加に
注目は渋野フィーバー中の「女子ゴルフ」

 セカンドチャンス実施の発表当初は「売れ残ったチケットを放出する感じ」だったので、このコラムでも「セカンドチャンスはボイコットしよう!」と書いた(参照:「五輪チケット『セカンドチャンス』に応募すべきではない理由」)。

 売れ残ったチケットを、まだ組み合わせなどの詳細が決まらないうちに、しかも「買えなかった!」「どんな競技でもいいから手に入れたい!」といった渇望感があふれているうちに定価で売りさばこうという魂胆が見え見えで、信義の問題を私は指摘した。これはダフ屋よりむしろ悪質ではないか、と。

 そんな批判に反応してか、東京五輪組織委員会は途中でハッピーなサプライズを加えてきた。野球、サッカー、ソフトボールを含め、メダルが決まる27セッションを今回の販売内容に加えた。もちろん歓迎すべきこと。だが、これでますます、申し込む人の心は揺さぶられ、どれを選ぶべきか、迷う人も多いだろう。

 人気が集中しそうなメダルがらみのセッションは次の3つだ。

・野球 3位決定戦
・ソフトボール 女子3位決定戦
・サッカー 女子準決勝2セッションと3位決定戦

 野球の侍ジャパンが3位決定戦に出てもらっては残念だが、野球ファンならどんな対戦カードになっても見る価値を感じるだろう。ソフトボールも同じだ。

 そして女子サッカーは、準決勝2試合。悩ましいのは、2試合が別の会場で行われること。日本を応援したい人は、カシマスタジアムか横浜国際総合競技場か、予測して申し込まなくてはならない。

 ほかに女子サッカーの準々決勝4試合、男子準々決勝1試合もファンにとってはうれしいだろうが、同様に、どこで日本代表が試合をするか、男子の1試合がちょうど日本戦に当たるかどうかは、神のみぞ知る。

 ここ数日で俄然、人気が急上昇、大フィーバーも予想されるのが、女子ゴルフだ。今回は3日目のチケットが売り出されている。全英オープンの前までなら、「3日目か……」という印象だったが、渋野日向子フィーバーが起こったいまとなっては「3日目でもいいからスマイル・シンデレラを見たい!」というファンが急増しているだろう。しかも7000円は安い! きっとかなりの倍率になるだろう。

穴場のおすすめ競技は
フェンシング、カヌー、マラソン

 上記の種目ほど一般の人気は高くないが、スリリングで面白い競技、オリンピックらしい気分を味わえる競技、といった観点からおすすめなのは、

・カヌー スプリント
・馬術 馬場馬術
・フェンシング
・近代五種
・自転車競技 マウンテンバイク 女子クロスカントリー
 など

 フェンシングは女子エペ団体決勝のセッションが販売されている。日本女子は6月のアジア選手権では4位にとどまり、メダルにはまだ少し距離がある。が、日本女子の快進撃を祈りつつ、全競技の中でもひときわ「見やすい演出」に力を入れ、電子技術が駆使されているフェンシングを見に行く選択もあっていいだろう。

 カヌーのスプリントは、男子カヤック・シングル決勝、女子カナディアン・シングルなどの決勝種目が組まれているので興味津々だが、リオ五輪銅メダリストの羽根田卓也選手の出場種目は入っていないから、そこは納得して申し込む必要がある。

 陸上競技のマラソンも、楽しめるチケットかもしれない。マラソンは沿道に行けばタダで見られるというが、人気のポイントなどは大勢のファンが徹夜同然で陣取ることも予想される。最前列は大勢の人で埋まり、前の人の頭しか見えない状況になる可能性も。それを考えたら、競技場に席を取り、スタートとゴールを目の前で見る。途中経過は場内のビジョンで見られるだろうから、それがやはりいちばん臨場感のある席かもしれない。

絶対やってはいけないのが
興味がないのに「人気の低い種目」を選ぶこと

 最後に改めて、購入の方針を整理しておこう。

 まず、買うか、買わないか?

 興味深いチケットが追加されているので、前回当たらなかった人で、「絶対行きたい!」という競技がある人はもちろんチャレンジするべきだろう。

 それでは、どんなチケットを申し込むべきか?

 用意されている中で、自分がいちばん行きたいチケットを申し込む! これに限る。

 もし迷ったら、当たる確率の高そうなチケットを選ぶのも一案だ。

 野球、ソフトボール、サッカーのメダルがらみは、販売枚数が少ない可能性もあるので、当選確率は低いだろうが、行きたいならチャレンジすべきだろう。

 いちばん買ってはいけないのが、当たる確率を求めて、人気の低そうな種目を選ぶこと。当てたはいいけれど、やっぱり興味が薄れ、猛暑の中、出かける気力がなくなるようなチケットは申し込まないほうが懸命だ。そのようなチケットは、転売サイトに出しても結局売れず、支払った料金が戻ってこない心配もある。

 私は前回、水球の予選ラウンドなどが当たったので、申し込みの資格はないが、もし買うならどれか? と聞かれたら、迷わず「女子ゴルフ」と答えるだろう。まだ渋野日向子選手が東京五輪に出場できる順位まで世界ランキングを上げられるか、そして維持できるかはわからないが、その期待は十分だ。

 もし彼女が代表を逃しても、7000円なら惜しくない。私をそんな無邪気な思いにさせるのだから、渋野は、東京五輪組織委員会にとっても救世主になるかもしれない。

(作家・スポーツライター 小林信也)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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