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「ふん便性大腸菌」が多い海水浴場ランキング2019

2019年08月07日 06時00分更新

文● ダイヤモンド編集部,清水理裕(ダイヤモンド・オンライン

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海水浴場
写真はイメージです Photo:PIXTA

 これまで全国の海水浴場(一部、湖沼や河川の水浴場も含む)を、水の汚れを示す「化学的酸素要求量」(COD、mg/l、複数回測定の平均値)を基にランキングしてきた。

 今回は、「ふん便性大腸菌群数」(個/100ml)、「透明度」(m)という2つの水質判定基準で、水が汚い海水浴場を洗い出してみたい。

ふん便性大腸菌はヒトや動物の「うんこ」由来

 1番目の判定基準である「ふん便性大腸菌群数」について、詳しく触れたい。

 大腸菌群は、ヒトや動物のふん便(=うんこ)由来のもの以外に、土壌や植物などからくるものもある。より的確にふん便汚染を把握することができるのが、ふん便性大腸菌群数の調査なのだ。

 環境省の水質格付けで、最高位の「AA」を取るには、複数回測定した平均値で100ml当たり2個未満でなければならない。同様に「A」は100個以下、「B」は400個以下、「C」は1000個以下、「不適」は1000個超となっている。

 なお、同省はAAとAを「適」、B とCを「可」と位置付けている。

 ダイヤモンド編集部による、「ふん便性大腸菌」が多い海水浴場ランキングは次のように作成した。

 水質AとBのうち、大腸菌が100ml当たり30個以上の海水浴場をまずは選別。Bの中で該当した13ヵ所を大腸菌の多い順に並べた。続いて14位以下は、Aのうち選ばれた14ヵ所を、大腸菌の多さで順位付けた。

世界的ダイバー故マイヨール氏が愛した千葉・館山の海が上位に

 1位は千葉県館山市の北条で、大腸菌が100ml当たり360個確認された。3位の波左間(180個)、4位の那古(140個)も館山市という結果になった。

 房総半島の南端にある館山市は、世界的ダイバーである故ジャック・マイヨール氏が別荘を構えていたことで知られている。

 マイヨール氏は、リュック・ベッソン監督の映画「グラン・ブルー」のモデルであり、素潜りで前人未到の水深100mの壁を破ったことで有名。館山は、その彼が愛してやまなかった海なのである。

 千葉県ではこのほか、ワースト10位以内に真亀(九十九里町)と勝浦中央(勝浦市、共に8位)もランクインしている。

 千葉県の担当者は「生活排水の影響が考えられる。河川があると大腸菌の検出確率が高まる」とコメントした。

 ただ、今回の数値結果については「雨が降れば大腸菌の流入が増えるため、気象条件に左右されてしまった面もある」と強調。「水質格付けはCや『不適』でなくBであり、問題はない」との認識を示した。

 一方、館山市の担当者は「県による調査は2日あったが、うち1日は雨が結構強く降った」と主張する。

 今年の調査日は4月26日と5月14日。100ml当たりに検出された大腸菌群数の最小値と最大値をチェックすると、北条は18個と700個、波左間は2個未満と360個、那古は2個未満と270個という結果で、確かにそれぞれ幅があった。

 ちなみに昨年の格付けは、北条がAA、波左間と那古はAと良好だった。このため、館山市は「高すぎる結果が出たため、県に調査のやり直しを求めたが断られた。すごく困っている」と憤まんやるかたない。

 しかし、千葉県は「雨は降ったが調査は通常通り可能と判断した」と説明する。あくまで問題視しない姿勢を貫いている。

 千葉県以外で上位に目立ったのは、愛知県勢だ。大野(常滑市)が2位、三河大島東浜(蒲郡市)が4位に入った。大野は伊勢湾、三河大島東浜は三河湾の奥にある。閉鎖的な海域にあることが不利に働いたと考えられる。

透明度・大腸菌・CODの3指標で全てワースト上位の三河大島東浜

 今回のランキングで2番目の判定基準である「透明度」は、直径30cmの白い円盤を海中に沈め、見えなくなる距離で測定する。

 海水浴場819ヵ所のうち、透明度が1mに満たなかったのは13ヵ所だけ。水質格付けはいずれもBだ。ここから「透明度」が低い海水浴場ランキングを作成した。

 1位となったのは宮城県石巻市の白浜で、透明度は0.5m。同市では、渡波も0.9mで7位となった。どちらも東日本大震災で被災しており、昨年夏、8年ぶりに本格的な海開きをしたばかりである。

 海域が閉鎖的な影響もあって、有機物による水の汚れを示すCODも2.5mg/l、2.1 mg/lとそれぞれ高めに出た。ただ、100ml当たりの大腸菌群数は、白浜が2個、渡波が2個未満と小さな値だった。

 前回のCOD、今回の大腸菌、透明度と、3つの観点から水が汚い海水浴場をチェックしてきた。いずれの基準でも上位に入ってしまった場所が1つある。愛知県蒲郡市の三河大島東浜だ。

 CODはワースト2位、大腸菌は4位、透明度は13位だった。三河大島東浜は、蒲郡の沖合3kmに浮かび、愛知県では唯一、海水浴ができる無人島として地元の方に親しまれている。ただ、残念ながら、水質面では不名誉な結果となってしまった。


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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