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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情第522回

プリンターでも大成功を収めたHP 業界に多大な影響を与えた現存メーカー

2019年08月05日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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レーザープリンターを開発するが
250ページ出力する間に確実に故障

 1984年にはもう1つ、LaserJetの発売もあった。これはやや話が混み入っている。もともとHPは1980年、最初のレーザープリンターとしてHP 2680Aを発売した。

HP初のレーザープリンターHP 2680A。最近の複合コピー機でもここまでの大きさのものはない。連続紙を女性の足元あたりから供給しているのがわかる

 解像度は180dpi、印刷速度は毎分45枚だが、カット紙ではなく連続紙に印刷するというもので、開発はBoise部門であり、1975年から開発に携わっていたそうだ。

 最初はキヤノンのプリンターエンジンを利用して開発したものの、これはMTBF(平均故障間隔)がわずか250ページ、つまり250ページ出力する間に確実に故障するという信頼性が低いもので、結局完全に作り直しを余儀なくされたらしい。

 これはEPOC(Electrophotographic Printing On Computer)というコード名がついていたそうだが、10万8500ドルという価格もさることながら、そのサイズの大きさはオフィス向けとしては厳しいものだったのは写真でおわかりかと思う。

 結局これはその後リモートプリンターや、IBMのメインフレーム向けなど、このサイズが問題にならないような用途に販売され、1987年までに2680Aだけで1500台販売したそうだが、もうちょっとなんとかならないのか? というニーズは当然あった。

 これに向けて1983年に開発した、ずっと現実的なサイズの製品がHP 2688Aである。

HP 2688A。カット紙をサポートし、しかも前面給紙、上面排紙という、昨今のレーザープリンターの原型のような構成

 こちらもやはりBoise部門の開発で、300dpiの印刷品質と毎分12枚の印刷速度を持ち、価格は2万9950ドルと、これも多少現実的なものになった(グラフィック印刷を省いた、テキストオンリーのHP 2687Aは更に安い1万2800ドルだった)。

 このHP 2688A、開発コード名がBonsaiだったのはリコーのプリンターエンジンを利用したことに関係しているのかもしれないが、このHP 2688AはもともとキヤノンのLBP-10という1979年に発売された製品に対抗すべく開発したものである。

 LBP-10は小型かつ低価格の良い製品ではあったが、液体トナーを必要としていた。HPはこれを嫌って、ドライトナー方式のエンジンをリコーと開発したわけだが、結果として非常に信頼性が低い製品に仕上がってしまった。

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