●Android勢に優位に立ちたいアップル
一方、インテルとしては、アップルとクアルコムの関係が修復されたことで、モデムチップの大口顧客であったアップルを失うことになった。これにより、事業の採算が取れないということで、スマートフォン向けモデムチップ事業自体から撤退。結果として、事業そのものを売却し、アップルが買収するに至ったのだ。
アップルとしては、競争が激化するスマホ事業において「自社開発で差別化したい」という狙いがあるのは間違いない。
ディスプレーやカメラなど見た目で差別化が難しくなっているスマホにおいて、今後、重要な要素となってくるのがチップセットの部分だ。アップルではもともとiPhone向けにSoCを自社設計しており、さらに機械学習などのAIにも対応させている。また、カメラにおいてもISPを自社開発するなど、まるで「下町ロケット」の帝国重工のように「キーテクノロジーの内製化」を急いでいるのだ。
そんな中で買収したインテルのモデムチップ事業。今後、5G対応での競争が過熱すると見られる中、アップルとしてはモデムチップも自社設計することで、Andorid勢に優位に立ちたいのだろう。
しかし、このアップルの思惑がどこまで成功するかはかなり不透明だ。
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