週休3日で働き方はどう変わるのか
日本マイクロソフトは、働き方改革(ワークスタイルイノベーション)を経営戦略の中核に位置づけており、基本理念を「ワークライフチョイス」としている。多くの企業が「ワークライフバランス」に取り組んでいるのに比べて、一歩進んだ取り組みともいえる。
ワークライフチョイスでは、社員一人一人が仕事(ワーク)や生活(ライフ)の事情や状況に応じて、多様で、柔軟な働き方を、自らがチョイス(選択)できる環境を目指すものだとする。ライフステージに合わせて、仕事と生活の選択を可能にする仕組みだ。
「2015年に社長就任したときに、働き方改革のリーディングカンパニーになりたいと宣言した。2016年5月にはフレキシブルワークができるように就業規則を変更、2017年9月にはファミリーフレンドリー休業制度を導入。7割の男性社員が取得しており、社内に定着している」という。
さらに、育児などで一度IT業界からリタイアした技術者などを対象に再雇用するリターンシッププログラムを導入してきた経緯もある。
「これ以外にもさまざまな制度を実施しており、成功もあれば、失敗もある。さまざまな学びがあった。アドレスフリーは、なんどもやったり、やめたりを繰り返している。かつて失敗した要因は、社員の働き方を改革するのではなく、フレキシブルシートの導入が目的になってしまったことだった。だが、こうした成功と失敗の取り組みを通じて、働き方改革の会社だと言われるようになってきた」とする。
働き方改革を推進したことで、業績や生産性向上、社員満足度向上、離職率の低減といった効果のほか、働き方改革のトラステッドパートナーとして認められ、日経225銘柄のうち、92%の企業がMicrosoft Cloudを導入しているという。
「ワークライフチョイス チャレンジ2019夏」は、これまで働き方改革をやってきた同社だからこそ、取り組むことができるものだといえるだろう。
そして、週休3日制や20%の生産性向上といったことよりも、仕事のやり方を変え、多様な働き方を支援する組織づくりへの新たな挑戦ともいえる。週休3日制を導入したという話題性よりも、それによってどう変化したのかという結果に注目しておきたい施策だ。
平野社長にとって、日本法人社長として最後の挑戦は、世界的に見ても異例の週休3日ということになる。
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