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自撮り写真を名作風の肖像画に、GAN利用の新ツールが話題

2019年07月24日 07時55分更新

文● Charlotte Jee

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ディープフェイクを支える「敵対的生成ネットワーク(GAN)」は、43万2500ドルの値がついた芸術作品を作成するのにも使われている人工知能(AI)の手法だ。

自分の写真をアップロードして待つこと数秒。写真を基にした水彩、油彩、またはインクで描かれたような古典的なスタイルの肖像画を作成するツール「エアポートレイツ(aiportraits)」がこのほど公開された(こちらで試せる)。このツールが作成する肖像画は、それぞれ唯一無二のものだ。

エアポートレーツは、MIT-IBMワトソンAIラボに所属する研究者が、人気のAI手法である敵対的生成ネットワーク(GAN)を利用して開発した。GANは、2つのニューラル・ネットワークを互いに競わせて、許容できるような結果を生成する手法だ。2つのニューラル・ネットワークの1つは、訓練例を見てからそれを模倣しようとする生成器であり、もう1つは、生成器が使用したのと同じ訓練例と生成器の出力を比較して、その出力が本物のように見えるかどうかを判断する識別器である。今回の場合、エアポートレーツの開発者たちは、肖像画の画像4万5000枚を使用してプログラムを訓練した。訓練データには、ティツィアーノ、ファン・ゴッホ、そしてレンブラントの絵画が含まれている。

エアポートレーツは、笑顔の肖像画を作成することはない。訓練例として取り上げた絵画が描かれた時代では、笑顔のような露骨な表情を描くことは一般的ではなかったからだ。

写真編集アプリ「フェイスアップ(FaceApp)」をめぐる最近の騒動の後では、自分の写真をアップロードすることに対して、プライバシーへの影響を心配する人もいるだろう。エアポートレーツの開発者らは、写真はサーバーで写真を処理した後にすぐに削除しており、他の用途に使用しないとしている。

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