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部長とヒラで1000万円以上の差!「退職金格差」驚愕の実態

2019年07月22日 06時00分更新

文● ダイヤモンド編集部(ダイヤモンド・オンライン

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『週刊ダイヤモンド』7月27日号の第1特集は「退職金と守りの老後運用術」です。貴重な老後資産である退職金がいま衰退のさなかにあります。金額は年々減少し、出世の違いなどによる個人間格差が顕著に。もはや夢のリタイア生活という保証はどこにもありません。本誌が行ったアンケートでは驚きの格差が浮き彫りになるなど、いまこそ退職金を守り、活用するための心構えが必要です。

退職金格差が拡大中

Photo:PIXTA

 今、退職金に恐るべき三つの激変が押し寄せている。

 一つ目は「金額の激減」だ。なんと、20年前に比べて平均で1000万円以上も減った(厚生労働省統計)。企業年金の給付利率も下がるなど、退職金の減少はとどまるところを知らない。

 二つ目の激変は「自己責任」化。その象徴の一つが「確定拠出年金」の拡大だ。

 あらかじめ支給される額が決まっている「確定給付企業年金」などとは異なり、確定拠出年金とは、定められた拠出額を基に、労働者自身が運用を行うというもの。自身の運用次第で受け取れる額が変わる、いわば“自己責任”の仕組みだ。

「確定給付から確定拠出への流れは、会社が運用リスクを取らなくて済むので、今後も進んでいくだろう」と断言するのは、りそな年金研究所の統括主席研究員である谷内陽一氏。確定給付企業年金が企業にリスクを負わせる制度だとしたら、確定拠出年金は個人がリスクを負うものであり、企業から個人への責任の転嫁が進む。

出世による違いが顕著になる

 三つ目が「出世圧力」だ。というのも、いまや退職一時金の制度の過半を占める「ポイント制」は、どれだけ出世したかが大きく退職金額に影響するからだ。

 ポイント制とは、在職時の役職や勤続年数などを基に計算されるポイントの累計を基に退職金額を決める制度。早くから上位の役職に就くことでポイントが増し、そうでない人との差が大きく開く。

 人事コンサルティング企業、ベクトルの秋山輝之副社長は、「かつてであれば、企業内で標準額から±15%ぐらいの範囲に退職金額が収まっていたものが、いまは±50%ほどの差が生まれるようになり、格差が大きくなっている」と説明する。

 今回、週刊ダイヤモンドでは、本誌定期購読者およびダイヤモンド・オンライン会員に向けて1000人を超える大規模なアンケートを実施した。そこで明らかになったのは、驚くべき格差の実態であった。

 最終役職別の退職金額の平均を算出したところ、一般職級が1664万円に対して、部門長・部長級が2701万円、社長・役員級に至っては3095万円と、実に1000万円以上の開きが出たのである。

退職金が0という人も存在

 図を見ると、主任・係長級と課長級の間で開きが大きくなっている。やはり、退職金額には、管理職になるかならないかという昇進の壁が厳存するようだ。

 また、定年・早期退職者の退職金額の内訳についても集計してみた。すると、5000万円以上ももらったというつわものがいる一方で、退職金はなかったとする人の存在も浮き彫りとなった。

 あくまでダイヤモンド読者の中での調査ではあるが、平均額は2259万円。しかし、上下の振れ幅が大きく、この平均が一人一人に当てはまるものではないということが分かるだろう。

 退職金の減少に、自己責任化、さらには企業内格差の拡大。大事な老後資金はまさしく、激変と格差にさらされているのだ。

 そんなとき、われわれはどうすればいいのか。それは、自身の退職金を見つめ直し、定年後の暮らしをしっかりと設計することだ。

 例えば、よくある失敗は、退職金を「老後の余裕資金」だと考え無防備に散財してしまうこと。銀行の勧誘に乗ってしまいリスクの高い商品に大金を注ぎ込む、憧れの海外クルーズで数百万円を浪費する、住宅リフォームで業者の言うままに不要なオプションまでつけてしまう――などである。

 だが、こうした失敗は、事前に情報武装すればかなりの対策が立てられる。「老後2000万円」問題が議論を呼ぶ中、まずは自身の退職金について考えを深めてみてはどうだろう。


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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