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トヨタがEV世界首位のBYDと共同開発、中国で販売へ

2019年07月21日 10時58分更新

文● James Temple

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トヨタ自動車がついに、完全電気自動車の世界に飛び込むことになる。中国の比亜迪(BYD)と提携し、セダンとスポーツ用多目的車(SUV)、車載用電池を共同で開発。世界最大の自動車市場である中国で販売する計画だ。

ロイター通信は、日本の最大手自動車メーカーであるトヨタが、来年には初のトヨタブランドの電気自動車を中国で供給する計画だと報じた。車種は小型SUVの「C-HR」と「IZOA」の電気自動車版になるという。

今回の動きは、政府補助金や排ガス規制、それに消費者からの支持拡大などによってたらされた、電気自動車に対する世界的需要の高まりを受けたものだ。

世界最大の電気自動車メーカーであるBYDとの提携は、中国が近年、電気自動車と車載用電池の分野でいかに支配的な地位を占めているかを明確に示している。今回の発表は、トヨタが、車載用電池最大手の中国寧徳時代新能源科技(CATL)と、車載用電池の購入および共同開発について発表した直後のことだった。CATLとの提携は、トヨタにプラグイン・ハイブリッド車の電池を供給しているパナソニックを通り越して、トヨタのサプライチェーンを拡大し、多様化するものだ(参照「EVシフトでも覇権目論む中国の巨大な野望」)。

トヨタはハイブリッド車の分野では早くから先頭を走っていたものの、完全電気自動車の展開においては一貫して遅れていた。ところがロイター通信は6月に、トヨタが計画を5年前倒したことで、2025年までに年間の世界販売台数の半分を電気自動車とハイブリッド車が占めることになると報じた

トヨタは、バッテリー式の電気自動車にすべてをつぎ込むわけではない。水素を動力源とする燃料電池車「ミライ(Mirai)」も開発している。ミライは、カリフォルニア州でも購入およびリースが可能だ。そうした試みには、消費者や長距離トラックの運転手などが、時間がかかるバッテリー充電よりも、水素燃料補給の容易さとスピードを好むだろうとの目論見がある。しかし言うまでもなく、各地域でまず水素燃料補給ステーションのネットワークが構築される必要がある。

ジョージ・メイソン大学 科学技術イノベーション政策センターのデイビッド・ハート所長は、「トヨタは長らく、燃料電池の開発に全力を注いでいると見られてきました」と電子メールで述べた。「トヨタが燃料電池の開発を完全に諦めたとは思いません。しかし、彼らにとって目下の課題は明らかに車載用電池であり、燃料電池の時代が訪れるとしても、それはまだ先のことであるという事実と向き合いつつあると思います」。

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