このページの本文へ

実使用量ベースの従量課金型/月額払いサーバー調達モデル「TrueScale」も国内提供開始

レノボ、新ブランド“ThinkIoT”でエッジゲートウェイ&サーバー発表

2019年07月17日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 レノボ・ジャパンとレノボ・エンタープライズ・ソリューションズは2019年7月16日、東京で開催した顧客企業/パートナー向けイベント「Lenovo Transform 3.0」において、同社初のIoTエッジコンピューティング向け新製品「ThinkCentre M90n-1 Nano IoT」「ThinkSystem SE350」、およびオンプレミスITインフラ製品の従量課金型(使用量ベース)購入モデル「Lenovo TruScale Infrastructure Services」を発表した。

レノボが“ThinkIoT”ブランド製品として発表したIoTゲートウェイ「ThinkCentre M90n-1 Nano IoT」とエッジサーバー「ThinkSystem SE350」(SE350は開発意向表明の発表)
「Transform 3.0」基調講演で新製品/新サービスを発表した、レノボ・ジャパン 執行役員副社長の安田稔氏とレノボ・エンタープライズ・ソリューションズ 代表取締役社長のジョン・ロボトム氏

“ThinkIoT”ゲートウェイ/エッジサーバー発表、業種別ソリューションも強化へ

 今回はまずIoTソリューションの新ブランド“ThinkIoT”が発表され、ThinkIoTポートフォリオを構成する新製品としてIoTゲートウェイ向けPCのThinkCentre M90n-1 Nano IoTと、エッジサーバーのThinkSystem SE350が発表された。Nano IoTは同日より販売を開始、またSE350は開発意向表明の発表で、今年(2019年)中の発売を予定している。

 Nano IoTは、同時に発表された超小型デスクトップPCの「ThinkCentre M90n-1 Nano」をベースとして、幅広い設置環境に対応するための耐環境性能強化やファンレス化、無線通信機能の強化などを図ったモデルとなる。販売価格(税抜)はNano IoTが4万5000円から、Nanoが7万4000円から。

同時発表された超小型デスクトップPCのNanoと、IoTゲートウェイNano IoTの主な違い。製造ラインや店舗、物流施設など幅広い設置環境が考えられるNano IoTは、動作対応温度50℃まで、ファンレス、LTE/LoRa WAN通信にも対応する

 Nano IoTは、MILスペックを満たす堅牢な約179×34.5×88mm(容量約0.55L)、約720gの筐体に、インテルCore i3またはCeleronプロセッサー、最大8GBのメモリ、128GBのストレージを搭載し、Windows 10 Pro/IoT Enterprise LTSCが稼働する超小型デバイスだ。

 サーバールームだけではなくオフィスや店舗、製造現場などへの設置も考えられるため、筐体外部をヒートシンクとしてほこりを取り込まないファンレス設計となっている。さらに製造業などでの活用を考え、センサーや製造機械などと直接接続できるRS-232Cポートの標準装備、DINレールやVESAに対応したマウントも用意する。

 またEthernet(有線LAN)ポートとWi-Fiに加え、4G LTE、LoRaWAN、Bluetoothの各無線通信にも対応している。これにより、LANが敷設されていない場所におけるIoTゲートウェイとしての利用も容易になる。またディスプレイポートやUSB 3.1ポート、マイク/ヘッドホンポートを備えているため、デジタルサイネージ端末や超小型PCなどの用途でも利用できる。

 なおデスクトップPCモデルのNanoは、MILスペック対応で約179×22×88mm(容量約0.35L)、約505gの筐体にインテル Core i7/i5/i3 プロセッサー、最大16GBのメモリ、128GBのストレージを搭載している。

Nano IoTはRS-232Cポートを標準搭載し、オプションの追加でPoE給電も可能だ。またLTEやLoRa WAN経由の無線通信もサポートしている

 ThinkSystem SE350は、ハーフラックサイズ(1Uの2分の1幅)の筐体で、16コアのインテルXeon D1200プロセッサー、最大256GBのメモリ、最大16TBのM.2 SSDを搭載(予定)することで、Nano IoTよりもさらに高度なエッジコンピューティング環境が必要な用途向けのエッジサーバー製品となる。動作温度は0~55℃、NEBS Level 3対応、防塵対応、LTE通信サポート、DINレール取り付け対応など、こちらも多様な現場への設置を前提としたスペックとなっている。また「NVIDIA T4 TensorコアGPU」の搭載や、「VMware vSAN」によるHCI構成にも対応する予定だ。

エッジサーバー「ThinkSystem SE350」の概要(2019年内に発売予定、スペックは現時点での予定)

 レノボ・エンタープライズ・ソリューションズのロボトム氏は、レノボグループでは「Intelligent Transformation」ビジョンを掲げ、「ITがビジネスにどこまで貢献できるのか」を追求してきたと説明。そのビジョン実現に向けた取り組みの1つとして、レノボが持つITの専門性を産業分野別ソリューションとして展開していく「Smart Verticals(産業分野別ソリューション)」と、それを支える「Smart IoT」や「Smart Infrastructure」という“3つのS(Smart)”戦略への投資強化を図っていると説明した。

 また、産業分野別ソリューションの市場展開とポートフォリオ拡充においては、各産業分野の専門性と強みを持つパートナーとの協業が不可欠である。現在は小売/製造/物流/医療の各分野でパートナーと共にソリューションを構築している段階であり、その一部を「15の導入シナリオ」として公表した。「これ以外にもまだ発表できないパートナーがいる。パートナーと共に事例化(事例公表)やPOCの取り組みも進めていく」(ロボトム氏)。

ISVパートナー/SIパートナーと協業して産業分野別のソリューション開発を進めていると説明した

オンプレミスITインフラの従量課金型“月額払い”サービス「TruScale」

 もうひとつ同日に発表されたのは、オンプレミスITインフラの“月額払い”調達モデルであるTrueScaleの国内提供開始だ(ASCII.jpでは昨年12月に詳しく取り上げているのでそちらも参照いただきたい)。

国内提供を開始した「Lenovo TruScale Infrastructure Services」の概要

 TruScaleは、レノボ製のデータセンターインフラ製品(サーバーやストレージなど)を“月額払い”形式でオンプレミス設置できる調達モデルだ。これにより多大な初期導入コストを抑制できる。またインフラ環境の導入や稼働監視、アップグレード、リソース追加、アップグレードなどの基本作業もレノボに委託することができる。別途マネージドサービス契約を結ぶことで、SLA(サービスレベル保証)を定めたプロアクティブな対応など、より高度なサポートも受けられる。

 ロボトム氏は、現在はあらゆる市場において「サブスクリプションモデル」「as-a-Service型の購入」が増えており、オンプレミスITインフラにも同様の流れが来ていると説明。競合他社にも月額払いを可能にするファイナンスサービスはあるが、他社サービスがリース型(つまり単純な分割購入)であるのに対し、レノボのTrueScaleは実際の使用量に応じた従量課金型を組み合わせて構成できる点が特徴だと強調した。

 TrueScaleでは、基礎サポート料を含む基本料金(ベースプログラムコスト)に「固定利用料金」と「可変利用料金」を柔軟に組み合わせて月額利用料金を構成することができる。このうち可変利用料金の部分が、顧客環境で実測したリソース使用量に基づく料金となる。具体的には、レノボ製品が備える「XClarity」を用いて消費電力を計測し、それに基づいてリソース使用量を算出する仕組みだ。リソース使用量は顧客ポータルからもリアルタイムに確認できる。

 こうした仕組みにより、常に一定のリソースを使用する(使用量の増減が少ない)ワークロードには固定料金を、一時的にリソース使用量が急増するようなワークロードには可変料金を適用することで、月額コストを最適化できるとレノボでは説明している。顧客ごとにレノボから事前のアセスメントを提供して、適切な構成比率を決定していくという。

固定料金/可変料金の割合は顧客ごとに設定できる仕組みだ

 なおレノボでは、ネットアップからソフトウェアのOEM供給を受けてストレージ製品(ThinkSystem DM/DEシリーズ)を販売しているが、これらの製品もTrueScaleで調達することができる。

 現在のところ、TrueScaleサービスはレノボ製品の新規導入時にのみ適用可能で、契約期間は3~5年としている。またメインとなるターゲット層としては、年間のインフラ投資が25万~数百万ドル規模(約3000万円から数億円規模)の顧客だと述べた。

カテゴリートップへ

ピックアップ