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業界人の《ことば》から 第351回

ソフトバンクはUberのように産業を再定義しようとしている

2019年07月12日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII

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イオンと組んで夜10時以降も配達を受け取れる実験

 そのひとつが、イオン九州と実施している実証実験だ。

 午後3時までにネットで注文すれば、生鮮食品を含む生活品を、午後10時以降でも自宅で受け取れるサービスを展開するというものだ。これにより、共働き世帯や単身世帯でも、会社から帰宅したあとに、商品を受け取ることができるようになる。

 生鮮食品をネットで購入する人はわずか2%に留まっているという調査結果があり、理由としてあがっているのが、配達時間帯に家にいないことや、すぐに商品が手元に届かないこと、配送料金が高いなどである。スーパー側にとってみても、配送時間帯を延長したり、配達回数が増加したりすることで、配送コストが増加するという課題があった。

 実証実験では、CBcloudの配送マッチングサービス「PickGo」を利用することで、現在、約1万人に達している登録ドライバーとマッチング。荷量に応じて、必要な車両数だけを手配して、午後10時以降の配送需要にも対応する。個人事業主のドライバーが空いた時間に配送することで、配送需要に対応し、配送コストの適正化も図れる。

 同社によると、「2019年6月から、イオンショッパーズ福岡店で開始した実証実験では、ドライバーとのマッチング率は99%を超えている。デマンドとサプライをマッチングし、配送コストを下げることにつなげている」という。

 今後、ドライバーの登録を促進させる一方で、ドライバーの教育やバイクを使った配送への拡大、全国展開に向けた準備を進めるほか、将来に向けては、ドローンを使った配送や自動運転による配送も検討していくという。

 共働き世帯や単身世帯の増加によって生まれる課題を解決する取り組みのひとつといえる。

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