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親なら知っておきたい人気スマホアプリの裏側と安全設定 第23回

最新機能には興味なし!

10代は型落ちでもiPhone「ブランド」が大好き! ただしエアドロップ痴漢には注意

2019年07月16日 09時00分更新

文● 高橋暁子 編集●アスキー編集部

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10代のiPhoneブランド人気は圧倒的! 性能は二の次で、とにかくiPhoneであることが重要なのだ。型落ち中古でもかまわないので、価格が気になる親としてはありがたい

女子高生の80%以上がiPhoneを利用中

 10代の学生のなかでは、iPhoneブランドは圧倒的だ。なぜ学生はiPhoneが好きなのか、支持の理由と背景について見ていきたい。同時に、iPhoneならではのリスクと対策についても紹介する。

 10代は圧倒的にiPhoneを支持している。ある調査では中高生の70%以上、女子高生だけに限ると80%以上がiPhoneを使っているという。これは日本だけの傾向ではなく、Piper Jaffarayの調査結果「Taking Stock with Teens」(2019年4月)によると、米国でも10代の83%がiPhoneユーザーとなっている。

 ただし、中学生に限っては保護者の意向でAndroidを持たされている割合も高く、高校生になってやっと自分好みの端末を手に入れる子も少なくない。ある女子高生は、「高校生になってやっとiPhoneデビューできた」と喜んでいた。なお、保護者がAndroidを選ぶのは安価という理由が大きいようだ。

iPhoneなら型落ちでも問題なし

 iPhoneの最新機種は10万円を超えるなど、かなり高価だ。しかし、10代の子たちは最新機種や機能にはほとんど興味がない。

 単純に「iPhoneブランド」を支持しているだけなので、安くなった型落ちのもので問題ないのだ。古いものでもまったく問題なく何年も使い続けている子は多い。

 あるママ友は、「子どもにiPhoneなんて贅沢と思っていたけれど、聞くと仲良しは全員iPhone。仕方がないと思い、型落ちのiPhoneを購入することにした」と言っていた。

 そのくらい、「iPhone以外はありえない」「Androidを使うのはかっこ悪い」という認識があるのが10代なのだ。

iPhone人気の理由はおしゃれさとケース

 iPhoneはなぜ10代の間で人気なのだろうか。圧倒的にブランド力があり、おしゃれというイメージが強いことが大きいようだ。「みんなが持っている」「持ちたいと思っている」という認識が強いことも原因だろう。

 「iPhoneにはおしゃれなケースが多いから」という理由も少なくない。Androidは端末によってサイズなどがバラバラのため、ケースの選択肢が限られることも多い。一方iPhoneならサイズが決まっているので、おしゃれなケースが豊富にそろっているのだ。

 また、アプリが話題になっても、iOS版しか出ていないこともあり、自分だけAndroidを使っていると不便なことも多いようだ。

人気のエアドロだが……エアドロップ痴漢に注意

 iPhoneのもう1つの人気は、AirDrop(エアドロップ、エアドロ)。近くのiOS端末同士で写真や動画などを送り合える機能だ。「通信制限がかかっているときでも写真とか送れて便利」「通信量がかからないのが最高」という女子高生は多い。

 LINEなどを交換しなくても写真が交換できるため、文化祭などのときによく利用されているようだ。「Androidの子と交換するときは、LINE交換から始めなきゃならないから、ちょっと面倒くさいかも」。

 AirDropでの写真共有の仕方は次の通り。共有したい写真を開いて、左下の共有マークをタップ。続いて交換できる相手が表示されるので、アイコンをタップ。相手が「受け入れる」で受信でき、「辞退する」で拒否もできる。

 便利なAirDrop機能だが、最近はこの機能を悪用した「AirDrop痴漢」が多発している。見知らぬ相手に卑猥だったり不快だったりする写真を送りつけて楽しむ行為のことだ。女子高生たちに悩みを聞いたとき、数年前と比べてAirDrop痴漢の悩みが増加しており、大きな問題となっているようだ。

 この被害を防ぐためには、「設定」→「一般」→「AirDrop」とタップ。続いて、「連絡先のみ」をタップで、連絡先を交換している相手とのみ交換できるようになる。または「受信しない」にしておき、利用するときのみ切り替えて利用するのもいいだろう。

1. 「設定」→「一般」をタップ

2. 「AirDrop」をタップ

3. 「連絡先のみ」をタップ

 AirDrop痴漢は、アイコンや名前で相手を女性と判断して送りつけてくることが多い。アイコンを顔写真ではないものにしたり、名前を本名ではないものにしておくと安心だ。「設定」→「一般」→「情報」→「名前」とタップし、名前を編集しておくといいだろう。

「設定」→「一般」→「情報」→「名前」をタップ

名前を編集しよう

著者紹介:高橋暁子

 ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki

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