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業界人の《ことば》から 第350回

日本IBM7年ぶりの日本人社長就任は何を意味するのか

2019年07月04日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII

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IBMの中だけで考えるのは限界

 山口社長は「新たなグループビジョンのなかでは、『あらゆる枠を超えて』ということが重要であると考えている」とする。

 「日本IBMは、82年間にわたって日本でビジネスを行なってきたが、その間、『社会とともに』という姿勢は常に欠かしていない。これからの時代こそ、IBMの中だけで考えていては限界がある。もはや1社でなにもかもができる時代ではない。パートナーや顧客との連携が重要だ」

 ここにも山口社長の経歴の強みが見え隠れする。

 山口社長は2007年からグローバル・ビジネス・サービス事業本部に所属。2017年7月には、グローバル・ビジネス・サービス事業本部本部長に就任した。日本人が同事業を統括したのは11年でぶりのことだ。

 グローバル・ビジネス・サービス事業本部は、IBM製品に関わらず、あらゆるベンダーの製品、サービスを組み合わせて提案する組織であり、まさにパートナーシップが重要や柱になる。

 新たなグループビジョンに、「あらゆる枠を超えて」という言葉を盛り込んだのもその経験が背景にあるといえそうだ。

 IBMのテクノロジーと蓄積した知見、パートナーのテクノロジーと知見を組み合わせることで、ミッションクリティカルの領域にもデジタルを活用し、それによって、社会を大きく変化させることができる。これからの日本IBMは、そこに強みを発揮できるというわけだ。

 山口社長の経験が、今後の事業成長を担うエンジンとなるのかが注目される。

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