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松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」 第264回

ライドシェアにシェアバイク、これからの都市交通に必要な真の乗り換え案内アプリとは?

2019年06月28日 12時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII編集部

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スマートな移動の乗り換えアプリが必要

 多様化する都市交通の手段それぞれが新たに生まれること自体は良いことですが、それらをどう乗りこなすかが次の問題になっていきます。

 そこで必要となるのが、東京でほぼ毎日活用している「乗り換え案内」的なアプリです。

 東京都心をはじめとする都市の場合、鉄道、バス、徒歩でほぼ問題は解決されるでしょう。しかし特に東京の場合は複雑すぎる路線図の中の特定の場所が、どの駅から近いのかをすべて把握することはできません。

 出発時間のタイミングによって、最速の経路は異なりますし、数分長いだけで100円以上コストが変わる移動方法も存在しており、乗り換え案内アプリは重宝しています。

 同様に、複雑化する都市交通の中で、これらを状況に応じて組み合わせてルートを提案する手段がもっと開拓されるべきですし、GoogleやAppleのマップアプリ、サードパーティーのアプリで、こうした「組み合わせの妙」を見つけ出す乗り換えアプリの登場が必要だと思いました。

 幸いなことに、ライドシェアやシェアバイクなどは、それぞれが現状と人々がよく行なう移動に関するデータを膨大に持つようになりました。これらを活用することで、新しい移動方法の組み合わせやその実現可能性、より正確な所要時間を発見できるはずです。

 確かに、移動手段を提供する各社はそれぞれが直接的な競合であり、それぞれのデータは貴重な差別化要因になります。しかし都市交通という視点で見れば、オープンに交換する枠組みも必要ではないでしょうか。


筆者紹介――松村太郎

 1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。

公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

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