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シャドウベイの配置がユニーク

Ryzen 5で11万円台お手頃ゲーミングPC、メンテナンス楽なケース内も魅力

2019年06月27日 09時00分更新

文● 宮崎真一 編集●八尋/ASCII

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SR-ar5-5430F/S3/GF

 ゲーミング向けパソコンというと高価なイメージを持つ人が多いと思うが、ショップによっては10万円前後の価格で販売されているモデルも少なくない。パソコンショップ SEVENの「SR-ar5-5430F/S3/GF」も、10万1304円からと手が届きやすいコスパが魅力的なゲーミング向けデスクトップパソコンである(OSなしモデル。Windows 10 Home搭載モデルは11万8584円)。では、SR-ar5-5430FS3GFはどのような特徴を備えているのだろうか。まずは、外観や仕様をチェックしていきたい。

シャドウベイの配置がユニーク
Ryzen 5 2600+GTX 1660という構成

 SR-ar5-5430F/S3/GFは、PCケースにSilverStone製「SST-PS14B」を採用したミドルタワー型デスクトップパソコン。外観は、全体がブラックでまとめられた落ち着いた印象で、前面パネルは光沢とヘアライン加工の2種の色調に分けられたデザインを採用している。その前面パネルの左右にはスリットが用意され、そこが吸気孔となり背面のケースファンから排気される構造だ。前面左側にはUSB 3.0端子が2基とヘッドフォン端子、それにマイク端子が用意され、若干斜めに配置されているため、アクセスのしやすさなど使い勝手は良好だ。

前面左側に用意された各種インターフェース。写真上から順にUSB 3.0端子、マイク端子、ヘッドフォン端子、USB 3.0端子となる

ケース背面。USB 3.1 Gen.2のType-C端子とType-A端子が1つずつ、それいUSB 3.1 Gen.1端子が4つにUSB 2.0端子が2つと、USB端子が非常に豊富に用意されている

 サイドパネルを外して内部を確認してみると、多くのケースでは前面に5インチシャドウベイや3.5インチシャドウベイが搭載されているが、本機ではそれが見当たらず、スッキリした印象を受ける。それゆえ、CPU周りの内部空間はかなり広く確保され、メンテナンスやアップグレードの作業はかなり行ないやすい。

左側面のサイドパネルを外したところ。前面側のシャドウベイが見当たらず、内部はかなりスッキリしている

 では、そのシャドウベイをどこに搭載しているかというと、下部のダクト構造の中である。このダクトには電源ユニットが配置されており、電源ユニットとケースファンによるエアフローが干渉しないように工夫が施されている。その電源ユニットには、80PLUS Bronze認証を受けた定格出力600WのSilverStone製「SST-ST60F-ESB」を搭載。PCI Express用補助電源コネクタは6+2ピン×1、6ピン×3が用意され、カードの増設にも十分対応可能だ。電源ユニットのファンが搭載されている面のPCケース側には吸気孔が配置されており、エアフローも申し分ない。

 さて、このダクト部分だが、右側面のサイドパネルを外すと簡単にアクセス可能で、ここに2つの3.5インチシャドウベイが用意されている。つまり、これらのベイに搭載されたHDDなどは、電源ユニットによるエアフローでしっかり冷却されるようになるというわけだ。また、マザーボードを固定しているバックプレートの裏側には2.5インチベイも2つ用意されており拡張性も良好だ。

右側面のサイドパネルを外すと、下部のダクトに用意された3.5インチシャドウベイにアクセス可能。また、ベースプレート裏側には2.5インチシャドウベイも確認できる

 スペックに目を移すと、CPUには「Ryzen 5 2600」を採用。定格クロック3.4GHz、最大クロック3.9GHzと、動作クロックがずば抜けて高いというわけではないものの、6コア/12スレッドタイプのCPUであるため、ゲームをプレーしながら録画や実況、それにウェブサイトの閲覧など、ゲームプレイ+αを行ないたいユーザーには適したCPUであるといえる。CPUクーラーには、CPUパッケージに付属する、いわゆるリテールクーラーである「Wraith Stealth」を採用。このクーラーは冷却性能と静音性が高く、実際に動作させてもその動作音がウルサイと感じることはなかった。

 また、GPUにはNVIDIAのミドルレンジ向け「GeForce GTX 1660」を搭載し、フルHDの解像度であれば快適なゲームプレーが期待できる。今回テストを行なったマシンでは、GTX 1660搭載カードとしてGIGABYTE製「GeForce GTX 1660 OC 6G」を採用。このビデオカードは、ブーストクロックがリファレンスの1785MHzから45MHz引き上げられたクロックアップモデルで、GPUクーラーには90mm角相当のファンを2基備えた「WINDFORCE 2X」を採用している。

ビデオカードはGIGABYTE製のGeForce GTX 1660 OC 6G。9mm角相当のファンを2基搭載した2スロット占有タイプのGPUクーラーが特徴的だ

 そのほか、容量240GBのSerial ATA 3接続のM.2 SSDを装備し、システムメモリはDDR4-2400を8GB搭載。このメモリモジュールは8GB×1という構成である点が残念だが、システムメモリを重視するユーザーであれば、BTOでもう1枚増やして、デュアルチャネルアクセス構成にするとよいだろう。

安価でも採用パーツの妥協は見られない
エアフローへの配慮も好評価

 やはりこのSR-ar5-5430F/S3/GFの最大の魅力は、10万円を切る価格にある。しかし、以上のように安いからと言って採用しているデバイスに妥協は見られず、ゲーミング向けパソコンとして高いポテンシャルを備えていることは間違いない。エアフローなどの冷却面にも配慮が見られ、数年間の長期利用を想定するのであれば、十分魅力的なマシンに仕上がっている。

 では、SR-ar5-5430F/S3/GFでどれくらいゲームが快適にプレーできるのか。別稿で、各種ベンチマークを実施してみたい。

試用機の主なスペック
機種名 SR-ar5-5430F/S3/GF/W10/D3
CPU Ryzen 5 2600
グラフィックス GeForce GTX 1660
メモリー 8GB
ストレージ 240GB SSD
内蔵ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
通信規格 有線LAN(1000BASE-T)
インターフェース(前面) USB 3.0×2、オーディオイン/アウト端子
インターフェース(背面) USB 3.1 Gen2(Type-C)端子、USB 3.1端子 Gen2、USB 3.1端子×4、ライン入力/ライン出力/マイク端子、PS/2端子、有線LAN端子、DisplayPort 1.4×3、HDMI端子
サイズ およそ幅210×奥行454×高さ465mm
OS Windows 10 Home(64bit)

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