新たにAGU2制御を追加した
Load/Storeユニット周り
ALUに関しては今回特に言及がなかった。ということで、次はLoad/Storeユニットになる。以前の構造と比較するとわかるが、以下のような違いがある。
- 新たにAGU2からの制御が追加された
- Store Pipe Pick周りの構造が少し変わった(Store Pipe Pickはプリフェッチからのデータは参照しない。プリフェッチは直接STP:Store Pipeにリクエストを出す)
ちなみに3つのAGUであるが、以前は2つのAGUについて、Storeに関してはAGU0ないしAGU1からStore Queueにリクエストを出すだけだった。
AGU0 | 基本はLoadでTLB 0/Data 0に直接アクセス可能。ただStore Queueにリクエストを出すこともできる。 |
---|---|
AGU1 | やはり基本はLoadで、TLB1/Data 1に直接アクセス可能。ただStore Queueにリクエストを出すこともできる。 |
これがZen 2ではAGU2が新たに追加された。
AGU2 | 基本はStoreで、Store Pipeに直接アクセス可能。ただLoad Queueにリクエストを出すこともできる。 |
---|
これを利用して、AGU0/1がLoad、AGU2がStoreをそれぞれ発行することで、256bit Load×2と256bit Store×1が同時に発行できるようになった形だ。
ただLoad/Store Queue経由では、かならずしもAGU0/1がLoad、AGU2がStoreである必要はなく、その意味ではインテルのAGUに比べると柔軟性は高いと言える。
広帯域になったキャッシュ周り
さて、次がキャッシュ周りだ。Zen 2では1次/2次/3次キャッシュがすべて32Bytes/サイクルで接続されるという、けっこう広帯域な構成になっている。
ちなみに1次/2次キャッシュはSharedだが、2次/3次キャッシュはVictimの構成になっているのは従来と同じ。余談ながら、このVictimキャッシュが理由で、3次キャシュへのプリフェッチの機能は実装されていないそうである。
キャッシュ周りでは、3種類の制御命令が新たに追加されている。これは性能改善というよりは、例にもあるようにNVDIMMやアクセラレーター、あるいは将来のOSの利用に向けたもので、どちらかといえばRyzen系列というよりはEPYC系列向けの機能と言えよう。
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