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人生逆転したい!貧困パパ活女子がパパを「神様」と呼ぶ切ない理由

2019年06月21日 06時00分更新

文● 藤野ゆり(ダイヤモンド・オンライン

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パパ活という疑似恋愛ならぬ疑似親子関係には多くの場合、互いの欲や下心しか存在しない。しかし、まるで本当の親子のような心の通い合いがあることも、まったくないわけではないようだ。(清談社 藤野ゆり)

予備校代をポンと
出してくれた「パパ」

予備校代をポンと出してくれるパパに出会った
ポンと100万円出してくれたパパが「神様に見えた」というユウコ。「パパはきっと誰よりも私の合格を願ってくれてると思う」と話します(写真はイメージです) Photo:PIXTA

「物心ついた頃から母と2人きりだったので、『父親』がどういうものかわからない。でもパパ活で出会う“パパ”たちは、どうしてこんな私に優しくしてくれるんだろう…というほど良い人ばかりなので、お金を貰うときはいつも胸が痛むし、申し訳なくなります」

 浪人生のユウコ(19歳・仮名)は母子家庭で父親を知らずに育った。ゆえに、パパ活の「パパ」に対しては少々、複雑な感情を抱いている。

 母親は郊外の工場勤務。給与は決して高いとはいえない額だ。家計に余裕はなく、大学の進学費用を自分で捻出しなければいけない厳しい境遇に身をおく。学費の工面が難しい母に代わり、100万円を超えるユウコの予備校代を出したのは『パパ』だった。

「実はわたし、2浪目なんです。どうしても行きたい大学があって…。去年は予備校に通うお金がなくて1年間、宅浪をしたけど受からなかった。その事情をパパに話したら、なんと次に会ったときに、『お金なくなったから、しばらく会ってあげられなくなっちゃうけど…』って言いつつ100万円を渡してくれたんです!まだ出会って3、4回目の時ですよ。神様に見えました」

 予備校代金について、母親は疑問に思わなかったのだろうか。そう尋ねると、「あんまり私に興味ないみたいで、予備校行ってることも知らないんじゃないかなあ」とそっけなく答えた。パパがいなければユウコが予備校に通い、大学進学を目指すことは絶対にムリだっただろう。

パパとは体の関係にはならない
浪人パパ活女子のルール

 ユウコは、その神様のようなパパと体の関係を持っていない。パパ活アプリを通して知り合った神様との初デートは、浅草寺だった。

「合格祈願に行こう、ということになって浅草デートをしました。その方は栃木に住んでいるので、わざわざ新幹線で来てくれて浅草寺を参拝して、付近を食べ歩きしました。おじさんは、暗くなる前に新幹線で帰っていきました」

 それからは食べ歩きや散歩デートが定番化。一緒によみうりランドへ行って、はしゃぐこともあった。絶叫は得意じゃないと不安げにしていた男性を少し強引にジェットコースターに乗せ、たくさん笑った。ふたまわり近く離れたパパとの初めての遊園地。ユウコはパパ活ということを忘れていたという。

「おじさんが栃木のどこに住んでいて、普段どんな生活を送っているのか、詳しいことは知りません。でも全然知らない人だからこそ、友達や母にすら言えないようなこと、家庭のことも将来のことも、なんでも話せる。おじさんも、きっと私のことを本当に娘だと思ってくれているんじゃないかって思います」

 ユウコは屈託のない笑顔を見せた。19歳にしては童顔で、かわいらしい顔をしている。明るく無邪気で、人当たりのいい彼女のころころ笑う姿を、目を細めて見つめるパパが、目に浮かぶ気がした。

 もともと男性が苦手だという彼女は、複数人いるパパの誰とも性行為をしたことがないという。

「もちろんパパ活のなかには体目的の人も多いですけど、私が絶対に体の関係にならないことがわかれば自然と離れていきます。今、やり取りをしている方は3人いて、みんな私の嫌がることは求めてきません。ご飯を食べて、お話をして、せいぜい手を繋ぐくらいかな。だから申し訳なくて、お金もあんまり受け取れないって思っちゃう」

 心苦しさもあってか、普段パパから受け取る金額は、せいぜい1万円前後。大金を稼いでいるわけではない。ゆえに浪人中にも関わらずバイトもせざるを得ないという、なんとも本末転倒な事態に陥っている。

今年こそは合格して
「パパ」に恩返ししたい

「受験費に入学金…うちは都心から離れているので、大学生になったら1人暮らしもしたいし、そう考えると入学後の生活費もかかる。もちろん奨学金だって返済しなくちゃいけないし、お金がいくらあっても足りないなと思います。だからパパ活だけに頼るのは怖くて、バイトも辞められない」

 今年こそは絶対に合格して、予備校代を払ってくれたパパさんに恩返しがしたい。彼女は大真面目に、そう話す。そこまでして大学に入学したい理由とはいったいなんなのか。

「人生、逆転したいからです。大学に入らないとスタート地点にも立ってない気がする。あとはパパに恩返ししたい。きっと今、誰よりも私の合格を願ってくれてる方だと思うので…」

 取材後、ユウコは「今日はありがとうございました!お仕事がんばってください」と笑顔で頭を下げ、ガールズバーのバイトへと向かっていった。彼女にもし本当の父親がいたら、高2の夏から余裕をもって予備校に通い、現役で憧れの大学に合格して、今ごろ気ままな大学生活を楽しんでいただろうか。栃木にいる神様のようなパパのためにも、どうか合格してくれと願わずにはいられなかった。


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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