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キャッシュレス時代の子どもに学ばせたい「幸せになれるお金の教養」

文● 三浦康司(ダイヤモンド・オンライン

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子どものお小遣い
Photo:PIXTA

2020年の東京オリンピックに向けて日本でも急速にキャッシュレス化が進むなど、お金のカタチはどんどん変化しています。そんなこれからの時代を生きる子どもたちに「お金」のこときちんと教えられますか?学校ではお金の教育がほとんど行われないため、親世代も十分な知識がないのが現状です。そこで今回は、『10歳までに身につけたい 子どもが一生困らないお金のルール』(青春出版社)から、子どもと一緒に知っておきたい「これからのお金との向き合い方」を解説します。

「お金の価値」について子どもに正しく説明できるか

 まず、あなたは自信をもってお子さんにお金のことを教えていると言えますか? 電子マネーなどがどんどん普及しているこの時代、「得する人」と「損する人」が二極化されていきます。金利0.001%の普通預金に預けているだけでは物価上昇に対応できず、実質お金が減って「損」をしている人たちがいる一方、電子マネーなどのさまざまなポイントや還元制度を上手に活用することで銀行以上の「得」をしている人、正しい投資をして「得」をしている人たちもいます。

 お金の形の多様化、金利や物価、投資のこと、価値の変化…残念ながら、知らずに損している人たちが圧倒的に多いのが現代です。また、私たち親世代も年金がまともにもらえない世代。お年寄りを支える若者の人口が減っていることが原因のひとつですが、子どもたちの時代はさらにその数は減り、働く世代の負担も増えるとも言われています。そのため、今の子ども世代が親になる頃には、経済的に苦しい状況になる子どもたちの数はかなり多くなるのではないでしょうか。

 そのような厳しい時代に、お金のことを考えられない子は、どうなってしまうでしょう。誰しもわが子には「幸せになってほしい」と願い、中でも重要なのは「お金に困ってほしくない」ということだと思います。そこで、子どもたちが持っている「時間」という最強の武器を使い、小さい頃からお金のことを学んでほしいのです。

 また、お金は「稼ぐ」「儲ける」だけではなく、「使い方」も大事なポイントです。大人でも「お金を使う」ことが上手ではない人がいます。お金の使い方をどう教えるか?これもこれからの時代を幸せに生きていくために見逃せないところではないでしょうか。

 お金の使い方について親がすべきことは、まずはお金をイメージさせることでしょう。たとえば、おうちの人が一生懸命に働いた大切なお金で自分の欲しかったものをお店の人からいただく。お金を介して欲しいものを手にできることに、親子で感謝の気持ちが共有できます。ここが第一歩。その先は、少額でも小さい頃から楽しく管理をしていくことです。お金の流れや働くということ、管理する方法、使う方法をしっかり伝えることが大切です。

日本の子どもに圧倒的に不足している「お金の教養」

 日本の義務教育にお金の授業はありません。アメリカ、香港などは小学校からお金の授業がありますし、シンガポールも金融教育が進んでいます。しかし、今の日本の子どもたちには、お金を勉強する場がなかなかありません。加えて、親や祖父母世代に「子どもがお金の話なんてするもんじゃない」と言われることがあります。日本には、お金は汚いもの、お金の話は人前ではタブーというような傾向がありますし、“貯金が美徳”という価値観も、いまだに根強いですね。

 とはいえ、少子高齢化に歯止めがかからない日本では、今の子どもたちが大人になる頃には、年金や社会保障制度はあてにできません。終身雇用で給料が右肩上がりの時代もとうに終わり、雇用も不安定です。お金を蓄えるのはもちろんのこと、お金を管理し、限りある中でやりくりし、ときには殖やすノウハウも、生きる力として必要になるでしょう。

 加えて、少子高齢化による働き手不足の影響もあり、今以上に外国人を受け入れているはずですし、グローバル化が進み、世界各国の人たちと共に生きていく中で、お金の教育を十分に受けていない日本人は、他国より一歩遅れてしまうのではないでしょうか。

 こうした厳しい状況の中で日本の子どもたちがサバイブしていくには、お金がまわる世の中のしくみを捉え、自立のために正しくお金を使える人間になれるかどうか、というところがポイントです。それが、社会で自分の能力を発揮し、いろんな人たちと協調し、互角に渡り合う力にもなります。

初めてのおこづかいはいくらにすべきか

 子どもがお金の概念についてわかってきたら、それがおこづかいをあげるタイミングです。たとえば、「あれ、買って!」と言い出したら、もうそれは十分に、お金の概念を感じ取っているサインだと思います。

 子どもにお金を持たせることを、「子どもが使って失敗するといけないから…」と言う大人がいますが、それは失敗ではなく「学び」です。小さい頃のお金の失敗は、少額ですし傷も浅いので、たかが知れています。失敗をおそれずに、子どもにどんどんお金に触れさせましょう。

 また、「おこづかいはいくらがいいのでしょうか?」とよく聞かれます。

 この質問には、親子で話し合って、一緒に決めることを提案しています。これが正しい決め方だと思います。家庭によって、300円だったり、100円だったりいろいろでしょう。年齢×100円という方もいらっしゃいますね。しかしそこはそれぞれのご家庭の判断でいいと思います。

 ある小学2年生のお子さんで、おこづかいが3500円という子がいました。まだ小学校低学年の子に月3500円のおこづかいは、「えっ、高い!」と思うかもしれません。でも、このお母さんは、習い事の書道の月謝3000円を、おこづかいに含めていたのです。つまり、月謝以外のおこづかいは500円。これにより、子どもは、書道にどれだけのお金がかかっているかを知ることができます。

 自分の習い事にどれだけのお金がかかっているかを知ることは、悪いことではありません。それだけ払っているのだから、しっかり勉強しよう、習い事の時間を大事にしようという気持ちにもなります。だからこそ、おこづかいについては親子で話し合って額を決めてほしいと思います。

 次回は、次世代の子どもたちに必要な、電子マネーなど“見えないお金”との付き合い方について解説します。


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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