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松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」第262回

日産「はたらくクルマ」でみたテクノロジーでの働き方改革

2019年06月13日 09時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII編集部

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日産・追浜工場に隣接したテストコースで「はたらくクルマ」の市場イベントがあったので、筆者も参加しました

 突然ですが、読者の皆さんは救急車を運転したことはあるでしょうか? あるいはタクシーは?

 もちろんお仕事で救急隊員やタクシードライバーをされている方はそれが日常ではありますが、そうでない大多数の人は、搬送される患者として、あるいはタクシーの上客として乗ることはあっても、ハンドルを握ることはありませんよね。

 関係する仕事に就いていない限り、生協などで利用されるトラックや幼稚園バス、冷蔵車、パレード用のクルマは、興味があっても、実際に運転したり、乗り込んだり、その中に入ってまじまじと見ることはありません。

 日産は6月11日、追浜工場に隣接するテストコース「GRANDRIVE」で、はたらくクルマの試乗イベントを開催し、筆者も参加してきました。いわゆる商用車といわれるカテゴリーのクルマ13台が勢揃いし、そのうち5車種に試乗することができました。

商用車の世界でも現代の顧客ニーズが色濃く反映される

 クルマのテクノロジーというと、現在では衝突防止や自動運転、電気自動車などに注目が集まります。今回試すことができた「はたらくクルマ」にも適用されており、よく見かけるワゴン型の商用車「NV150 AD」(ADバン)にも、衝突防止のエマージェンシーブレーキや車線逸脱警報が標準装備となり、バンパーも歩行者衝突時により被害を軽減する素材をデザインに取り込んでいました。

 今回注目していたのは、車イスに対応する車両の数々です。

 タクシーや老人福祉施設の車両では、介助の利便性から車イスごと乗り降りできるリフトが備え付けられており、より短時間で車に乗せ、安全に固定する仕組みが備わっています。実際NV200タクシーに試乗しましたが、車イス自体がしっかり固定された上、車の3点式シートベルトも装着し、若干後ろ方向に傾斜している室内のおかげで加減速時の前後の移動も抑えられていました。

 最も驚かされたのが、軽自動車にも電動昇降に対応するイスが備わっていた点でした。デイズ・ルークスには、助手席にスライドアップシートが装着されており、助手席から90度回転しながら車体の外にイスが下がってきます。そこで介助されながら車イスに乗り換えると、あとはリモコン操作で車内の助手席の定位置まで乗り込むことができます。

軽自動車でも車イスに対応したモデルが用意されています

 このスライドアップシートは、個人向けのクルマとして用意されており、小さいクルマで移動したいニーズと、介助の負担の軽減を両立している車両になっているのです。

 世の中のニーズとともに、気候の変化への対応も、はたらくクルマに迫られています。キャラバン冷蔵車は、今引き合いが非常に多くなっているそうです。その理由は食の安全性に対する世の中の関心の高さと企業の対策の進行、そして夏の猛暑の定常化です。

 それまでは、荷室に断熱機能を備える保温車が6割を占めていたそうですが、気温の上昇とその期間が長引くようになったことから、冷蔵車がほとんどになってしまったそうです。しかも、食品会社から冷蔵車での輸送が指定されるなど、非常に神経質な温度管理も求められるのです。

 以前連載で、ブロックチェーンに温度管理情報を書き込んで管理するビール醸造所を紹介しましたが、標準搭載ではないものの、サーモグラフを搭載することも可能で、安全な食の輸送と確実な温度管理を可能にする車両に、新しいテクノロジーが介在する場面も今後見られるかもしれません。

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