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業界人の《ことば》から 第346回

日立がIoTプラットフォームLumadaを使って2年で2兆円を目指す

2019年06月11日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII

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3年で2兆5000億円の投資を予定

 日立は2008年度に、7873億円の赤字を計上。以降、大胆な構造改革を繰り返し、事業売却をする一方で、積極的なM&Aも実施してきた。それによって、事業構造は大きく転換した。

 結果、2018 中期経営計画で掲げた売上収益は計画には未達だったものの、2018年度の調整後営業利益は7549億円となり、過去最高を記録した。そして営業利益率は8.0%となり、国内電機大手のなかでも際立つ水準に達している。

 東原社長兼CEOは「日立に、『稼ぐ力』がついてきたといえる。2018 中期経営計画で、V字回復モードに終止符を打ちたい。そして、2021 中期経営計画では新たなステージに立って、やっていくことになる」とする。

 日立の経営が新たなフェーズへと移行したことが、売上収益の具体的な数字を掲げなかった理由といえそうだ。また具体的な数字をあげない姿勢は、今後も積極的なM&Aを進める姿勢の表れだといえる。

 2021 中期経営計画では、今後3年間で2兆円~2兆5000億円の投資を実施する姿勢を示した。過去3年間で5000億円だった投資に比べると、4倍以上に拡大する。とくに、ITソリューションとインダストリーソリューション分野に重点投資する考えだ。

 成長の柱を担う鉄道事業においては、継続的なM&Aを検討していることを明らかにしている。そして現在1000人のデータサイエンティストを、3000人以上に増やす計画も明らかにする。

 こうした取り組みも、日立の新たな変化を支えることになる。

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