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業界人の《ことば》から 第345回

パナソニックが苦言に反応「前はテスラがボトルネックだった」

2019年05月30日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII

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テスラが大きくなれば電池不足は確実

 「乾電池の事業であれば、自分たちのペースですべてを決めることができるが、テスラのギガファクトリーでは、生産場所も生産量もテスラが決めて、価格は交渉で決まる。さらに現地の人を雇用して、教育し、それでいながら、辞める人が多い。その分、大きなコストがかかり、無駄もあり、利益を圧迫した。ドタバタしながら、なんとかモデル3の生産に追随できた」とする。

 両社の関係における注目点は、次期電池工場への投資だ。

 津賀社長は「現在の35GWのフル生産に向けた設備投資は終わった。あとはいかに生産性をあげて、1本でも多くの電池を品質よく、歩留まりよく作っていくかが最大のテーマになる」としながら、「次の投資については、そのあとに考えても時間的余裕はある」と述べる。

 そして「来年、テスラがモデルYを投入して、テスラの事業が大きく成長すれば、電池が足りなくなるのは確実だ。そのときには、テスラと協議をしていくことになる」とした。

 テスラは中国・上海に新たな工場を建設中であり、電池供給に関してパナソニックが、具体的にどう関与するかは現時点では未定だ。

 テスラに振り回されている感触は否めないが、このギガファクトリーでの早期黒字化には、意欲をみせる津賀社長。新たな中期経営計画では、テスラリスクはどれだけ軽減されるのだろうか。

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