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フォード、二足歩行ロボと自動運転車で「完全無人宅配」実験

2019年05月27日 07時44分更新

文● Charlotte Jee

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自律型移動手段とロボットがセンサー・データを共有できたら、障害物をより正確に避けて移動できるだろう。

フォードは自律自動車の後ろから降りて配達先の玄関まで荷物を届ける、二足歩行ロボットの実験を始めると明らかにした。アジリティー・ロボティクス(Agility Robotics )と提携し、新しいアイデアを試すために「ディジット(Digit)」というロボットを使う。近い将来、無人タクシーが配達サービスも兼ね、客を運ぶ合間に荷物を届けるようになるかもしれないと、フォードの最高技術責任者(CTO)はブログ投稿で述べている。

このロボットは最大18キログラムの荷物を運び、階段を上り下りし、障害物を回避し、何かにぶつかった時でもバランスを取れるとフォードは説明している。二足歩行ロボットは車輪で走行するロボットに比べて、より簡単に障害物や階段に対処できる利点がある。ただし、移動速度は遅く安定性も劣る。たとえば、もしディジットがひっくり返されてしまったら、再び立ち上がれるだろうか?

宅配サービスへの需要は高まる一方で、企業は商品をより早く、より安いコストで玄関まで届ける方法を先を争って見付けようとしている。アマゾンフェデックス(FedEx)は、それぞれ独自のロボットによる宅配サービスの開発に取り組んでいる。また、いくつかの規模の小さな企業は、大学のキャンパスでロボットによる配達サービスを開始している。

無人乗用車とロボットは説得力のある組み合わせだ。お互いがカメラとライダー(LIDAR:レーザーによる画像検出・測距)のセンサー・データを共有し、それぞれが自分の周囲の環境を把握しやすくなる。ロボットは車で充電できるため、多くのかさばるバッテリーも削減できる。

だがこのコンセプトが実現されるまでは、まだまだ時間がかかりそうだ。最近、フォードの最高経営責任者(CEO)は無人乗用車の導入はまだ数年先になると認めている。ロボットと無人乗用車を組み合わせた宅配サービスが実現するまでには、まだまだ乗り越えるべき技術的障壁はたくさんあるということだ。

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