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クラウドから「エッジ」への動きが加速:Build/de:code 2019レポート第7回

「Azure Blockchain Service」でコンソーシアムブロックチェーンネットワークを構築

アーキテクチャ図でみる、Azureブロックチェーンを使ったスタバの珈琲豆トレーサビリティ

2019年05月22日 12時00分更新

文● 羽野三千世/TECH.ASCII.jp

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 Microsoft Build 2019で、スターバックスのAzure活用事例が大きく紹介されました。スターバックスは、Azureにホストされている強化学習プラットフォームを使ってパーソナライズされたレコメンデーションを提供するモバイルアプリの開発、Azure Sphereを使った珈琲マシンのIoT化、Azureのブロックチェーンサービスを使った珈琲豆のトレーサビリティなど、様々な分野にAzureのテクノロジーを取り入れています。この中から、今回はAzureのブロックチェーン技術による珈琲豆のトレーサビリティに注目します。

「Build 2019」ではスターバックスのAzure活用事例が大きく紹介された

サプライチェーン関係者間でコンソーシアムネットワークを形成

 スターバックスは、同社の店舗で提供する珈琲豆について、農場から出荷されて店舗で消費されるまでのトレーサビリティ(追跡可能性)を実現する試験プロジェクトに、Azureのフルマネージドブロックチェーンネットワーク「Azure Blockchain Service」を採用しました。

 契約農場での珈琲豆の栽培状況やフェアトレード認証の有無、農場から工場へ出荷された珈琲豆が本物である証明と移動経路の情報、配送状況、店舗に配達された記録など、生産から消費までのサプライチェーンのデータをブロックチェーンのコントラクトに記録し、サプライチェーンの関係者が追跡できるようにしています。スターバックスの顧客は、モバイルアプリを使って、購入した珈琲豆の生産地と移動経路、豆から袋詰めされるまでの過程を知ることができます。Azure Blockchain Serviceを使って、サプライチェーンの関係者間で各々の台帳を同期するコンソーシアムブロックチェーンネットワークを構築することで、これを実現しました。

生産から消費までのサプライチェーンのデータをブロックチェーンのコントラクトに記録

 スターバックスでは、珈琲豆のトレーサビリティを実現することで、コスタリカやコロンビア、ルワンダなどの小規模農家の信用力が高まり、農場の収益が拡大すると考えています。また、豆の配送や在庫の管理を最適化することも期待しています。

トレーサビリティシステムとモバイルアプリのアーキテクチャ

 Build 2019のシアターセッションで、Azure Blockchain Serviceを使ったスターバックスの珈琲豆トレーサビリティシステクのアーキテクチャが紹介されていました。データの流れを簡単に解説します。

Azure Blockchain Serviceを使ったスターバックスの珈琲豆トレーサビリティシステクのアーキテクチャ

 まず、農場、配送業者、工場などからデータをAzure Blob Storageにアップロードすると、それをトリガーにデータがAzure SQL Databaseに書き込まれます。Azure SQL Databaseには、オンプレミスのOracle EBSにあるスターバックス店舗のデータ(珈琲豆の袋詰め、ロースト、ロットなどのデータ)も時系列で書き込まれています。

 Azure SQL Databaseへデータが書き込まれると、Logic Appsのワークフローが呼び出され、Azure SQL DatabaseのテーブルがAzure Blockchain Serviceに送られて改ざんできない台帳に記録されます。同時に、Azure SQL DatabaseのテーブルがElastic Searchで検索可能な状態にするLogic Appsワークフローも走ります。

 顧客のモバイルアプリからは、Azure SQL DatabaseのデータをElastic Searchで検索して参照できるようになっています。

※本記事はFIXERのTech Blogからの転載です。

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