このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 次へ

スープ作家・有賀薫さんインタビュー:

家事多すぎ、時間足りなすぎ。最低限の家事を考える実験「ミングル」

2019年05月24日 09時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

●家事を楽にする「ミングル的生活」

 有賀さんはいまミングルを使って「最低限の家事」を実践中。ミングルで足りないところはレンジやトースターなどの調理家電と組み合わせながら、ポトフやスープパスタを作って食事にしています。いまはまだ試行中ですが、そのうち調理器具や食器などの「最低限」も定まってきそうです。

 話を聞きながら、頭に浮かんだのは「家事の時短」のことでした。

 子どもが生まれてからというもの、さまざまな場面で本当にたくさん時短というフレーズを目にするようになりました。家事をすばやく終わらせることでプライベートの時間がとれるという理屈はわかるのですが、「時間がないのにこれまでどおり家事をする必要があるだろうか」と疑問に思うこともありました。

 一方ミングルは「時間がないならこれまでどおりの家事なんてしなくていいでしょ」という真逆の発想。むしろ「やらない」ことで新しい豊かさを生み出すという考えで、目からウロコが落ちました。ミングルはあくまでも考え方の提案。自分なら何ができるかと考えると、それだけで楽しくなる部分がありました。

 「『ミングル的生活』じゃないけど、硬直化していたキッチンと人の関係をこういう形で組み替えていくと新しくなるというのが、キッチン以外にもあるんじゃないかと思うんですよね。スープもそのひとつ。スープは昔からあったけど、こうして食べたらもっと楽になるよねと。同じように、キッチンがこうだったら楽になるとか、食器が変わったら楽になるとか、会話が変わったら楽になるとか、他方向に展開されていくのが重要なんじゃないかと。それをわたしだけじゃなく、ミングルを見てくれた人が、それぞれの『ミングル的生活』を考えてくれたら、もっと早く簡単に世の中が変わると思うんですよ」


■関連サイト




前へ 1 2 3 4 次へ

カテゴリートップへ