このページの本文へ

セキュリティ/メディア配信/パフォーマンスの3領域に注力、IoTやブロックチェーンなど次の構想も

アカマイ、新セキュリティサービスなど2019年の事業戦略発表

2019年05月21日 07時00分更新

文● 谷崎朋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 アカマイ・テクノロジーズは2019年5月16日、2019年の事業戦略発表会を行った。2019年全体では、139か国1000都市のインターネットエッジに約24万サーバーを備える「Akamai Intelligent Platform(AIP)」の強みを生かし、「セキュリティ」「メディアデリバリー」「Webパフォーマンス」の3領域を主軸として、顧客のデジタルトランスフォーメーション推進や、高品質かつセキュアなユーザーエクスペリエンスの実現をサポートしていく。

 今年3月に就任した職務執行者社長の山野修氏は、2018年は国内で588社がアカマイのサービスを利用し、売上は2015年比で約2倍と2ケタ成長を記録したと説明。特にセキュリティ事業は既存顧客での追加導入が進み、7%から24%に成長。今後もさらに伸びるとの予測を示した。

アカマイ・テクノロジーズ 職務執行者 社長の山野修氏

 2019年の事業戦略は、エッジプラットフォームの強みを活かして顧客のデジタルトランスフォーメーション推進を支え、高品質かつセキュアなユーザーエクスペリエンスを提供するべく、セキュリティ/メディアデリバリー/Webパフォーマンスを主軸に据え展開していくというもの。

 まずセキュリティ領域では、拡大するアタックサーフェスに対して“面”で保護できるよう、WAFソリューション「Kona Site Defender」に新たなポリシー群(Web Attack Tool、Web Protocol Attack、Web Platform Attack)を追加する。また、APIの脆弱性を突く攻撃やフォームジャッキング対策として、中規模向けWAF「Web Application Protector」にもAPIリクエストの中身を検査する機能を追加。さらに、クラウドサービス事業者などにおけるコンシューマーIDの管理負担を軽減するため、アカマイエッジを利用した分散型/クラウド型の認証サービス「Akamai Identity Cloud」を2019年後半から提供予定であることを明らかにした。Akamai Identity Cloudでは、ソーシャルログインによるユーザーエクスペリエンスの改善、CRMとの連携によるマーケティング利用促進なども実現する。

コンシューマーID管理サービス「Akamai Identity Cloud」の概要。

 エンタープライズ向けセキュリティでは、「ゼロトラスト」(企業ネットワーク内外を区別せず、認証による保護対策を実装するアプローチ)に基づいて、ユーザーIDごとにアクセス可能なアプリケーションを制御する「Enterprise Application Access」のほか、ゼロトラストを実現する各種製品をパッケージ化した「Enterprise Defender」(2019年3月リリース)などを提供する予定だ。

 メディアデリバリー領域では、年々規模が拡大し続けるトラフィックに対して低遅延で“落ちない”配信プラットフォームを提供することが課題だという。ちなみに2018年はグローバルトラフィックの最大ピークが72.7Tbps、インドのクリケットリーグIPLのライブ配信では最大同時視聴数が1039万、全配信量は230PBを記録している。

 2019年は、個々の企業に専用キャッシュ領域を提供する新サービス「Cloud Wrapper」、顧客データセンターとアカマイのクラウド間をつなぐ専用線接続サービス「Direct Connect」などを通じて、「ケーブルテレビとほぼ変わらない、2~3秒の低遅延配信の世界」を目指すとした。

メディアデリバリーのソリューション群

 Webパフォーマンス領域では、エッジプラットフォームの強みを生かしたパフォーマンス改善のためのソリューション群を提供する。たとえば、画像などコンテンツの品質を維持しながらサイズやフォーマットを自動最適化し、データ容量を圧縮する「Akamai Image Manager」において新たに動画に対応する「Video Optimization」機能、APIトラフィック管理ソリューションの「API Gateway」、APIへのDDoS攻撃などを防止するKona Site Defenderの新機能「API Protection」、サイトやアプリケーションのパフォーマンスを監視する「Akamai mPulse」、Web/モバイルアプリのユーザーエクスペリエンスを分析、最適化するパフォーマンス自動化制御機能「Akamai Ion」、MQTTベースのキューイングプラットフォーム「Akamai IoT Edge Connect」などだ。

新たに提供を予定するWebパフォーマンス向けソリューション群

 2019年後半以降の取り組みについては、エッジプラットフォームが革新をもたらす新領域、具体的には「プライバシー」「IoT」「ブロックチェーン」に注力していくと述べた。プライバシーについては前述したAkamai Identity Cloudの普及と利用促進を図る。またIoTでは、双方向のOTA(Over The Air)アップデートを実現するMQTTベースのソリューション「IoT Edge Connect」を中心に展開していく。

 ブロックチェーンについては、今年4月に三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)との合弁会社「Global Open Network Japan(GO-NET)」を設立しており、秒速100万件超の取引処理能力と2秒以下のレスポンスを実現する独自のブロックチェーン上で新たな金融サービスを提供する計画だという。

カテゴリートップへ

ASCII.jp特設サイト

クラウド連載/すっきりわかった仮想化技術

ピックアップ