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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第40回

アップル2019年第2四半期決算を解説:

iPhoneの中国製造は瀬戸際か?

2019年05月09日 09時00分更新

文● 松村太郎 @taromatsumura

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●心配なのがiPhoneと中国

 iPhoneの成長の減速は、世界のスマートフォン市場の停滞を考えればさほど驚くべきことではありませんが、これまで世界のスマートフォン販売台数2位を維持してきたアップルはファーウェイに抜かれて3位が定位置になりつつあります。

 トップのサムスンも2位のファーウェイも2019年には次世代通信規格となる5Gに対応したスマートフォンを投入し、買い替え需要を喚起することになるでしょう。

 アップルはクアルコムとの係争とIntelの5Gチップの遅れから2019年に5G対応iPhoneを登場させることは難しそうですから、このままずるずるとクアルコムと裁判を続けていれば、停滞気味のiPhoneにとって数少ない需要喚起のチャンスを逸することになっていたでしょう。その点でも、アップルのクアルコムとの和解は「そうせざるをえなかった」と見ることができます。

 2014年以降、iPhoneの急成長によってアップル自体のビジネスを飛躍的に拡大させたのが中国市場の存在です。しかしアップルは中国市場で引き続き苦戦しており、中国での売上高は前年同期比21.5%減の102億ドルに留まりました。

 ティム・クック氏は中国について、決算発表後の電話会議で米中貿易戦争に触れて「11〜12月は過去半年の中で最も厳しい期間だった」とふりかえっています。米国時間4月30日の時点での見解として、当時よりも今日の方が健全な雰囲気を取り戻しており、消費者信頼感が前向きになっている、との見方を示していました。

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