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ユニクロが中国で絶好調、日本は「ローカル地域の一つ」に降格へ

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ユニクロが中国で絶好調、日本は「ローカル地域の一つ」に降格へ
有明プロジェクトの成果は中国が先行している Photo:DW

 CEO(最高経営責任者)ポストの実質的な新設が、日本がローカル地域に“降格”する過渡期の表れか──。

 ファーストリテイリング(FR)は2018年秋、ひっそりと国内ユニクロCEOのポストに、FRの上席執行役員で、ユニクロCOO(最高執行責任者)を務めていた桑原尚郎氏を昇格させた。FRの柳井正会長兼社長は、グローバル全体の経営にシフトする。

「海外事業は各地域にCEOがいる。日本もローカルの一つとしてCEOを配置し、よりしっかりコミットしていく」(FR広報)

 この人事の背景にあるのは、海外事業の急成長だ。4月に発表された19年度上半期の決算で、FRは過去最高益を記録。けん引役は中国のユニクロ事業だった。

 中華圏全体で約20%の増収増益を達成し、今期末の売上高は5000億円に達する見込み。ブランド力の浸透に加え、デジタルマーケティングやECなど、日本に先行した戦略が功を奏した。

 中国事業を統括するグレーターチャイナCEOの藩寧氏は、50兆円規模の中国アパレル市場で、「今後5年間で売り上げ1兆円を目指す」と息巻く。そんな中国事業の活況ぶりを横目で見ながら、FR社内は業績とは裏腹に、「反省会状態だ」と関係者は打ち明ける。

中国メインの企業へ

 というのも、19年度上半期の国内ユニクロ事業は減収減益で、先行きが不安視されている。減収要因は、「暖冬の影響で、冬物商品の販売が計画を下回った」(柳井氏)。

 現場の危機感は強く、柳井氏を含む社員全員が参加する社内チャットでは、売り逃しを減らしたい売り場の担当者から商品企画の担当者へのダメ出しが、続々と届いているという。

 国内事業の不振解決の糸口として、FRが期待するのは、長らく効果の見えなかった「有明プロジェクト」である。まずは在庫管理だ。暖冬だった19年度第1四半期末の国内ユニクロ事業の在庫は、前年同期比52%も増加。大幅な値下げが懸念されていたが、第2四半期末では同約19%増と平年並みに収めた。「有明プロジェクトの成果で、在庫管理の精度の改善が見られる」とUBS証券の守屋のぞみアナリストは指摘。物流費も低下しており、サプライチェーンの改善が進みつつある。

 そして、デジタル戦略だ。中国ではネット注文に店舗在庫を引き当てるという、オンラインと実店舗の融合を推し進めている。これも有明プロジェクトの成果なのだが、日本では実現していない。

「今中国でやっていることを、全世界でやっていこうと考えている」と柳井氏は断言する。

 実は、中国も暖冬だったが、業績は絶好調だった。CEOを置き、てこ入れする国内ユニクロ。挽回のいかんにかかわらず、日本が「2番手」のローカル地域になるかもしれない。

(ダイヤモンド編集部 相馬留美)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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