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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第608回

世界初! ソニー「α7 III」の猫瞳AFで猫追いまくり

2019年04月23日 10時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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猫瞳AFにはちょっとしたコツがいる

 というわけで、さらなる「猫瞳AF」を楽しむべく、いつもの「保護猫シェルターqueue」へ。お世話になっております。

膝に乗ってきた猫を愛でるなぎさ店長。顎下から見る猫の顔はカワイイ。あ、これは瞳AFは使ってません(当たり前だけど)。2019年4月 ソニー α7 III

 さっそく床の上にごろんと転がっていた白猫を見つけたので猫瞳AFチェック。撮るときは親指でAF-ONボタンを押し、瞳を検出させてからシャッターを押す。ちなみに、フォーカスモードはAF-Cに。そうすると猫が動いても瞳をおいかけてくれる。

 AFエリアは「ワイド」か「ゾーン」にする。この写真だと拡張フレキシブルスポットになってるけど(わたしがミスった)、基本的に指定したAFエリアに対して瞳を探しにいくので、広めにしておいた方がいい。瞳をうまく見つけられないときは、AFエリアを猫の顔がおさまるサイズに小さくしてやるとよいそうだ。

瞳AFで撮影の瞬間。親指でAF-ONボタンを押し、瞳を追いつつシャッターボタンを、という図

 これで撮影したのが冒頭の写真。白をより白く見せるために+2の補正で。めちゃ楽しいわ、これ。便利なのは当然として、緑の枠が猫の瞳に追従してくれるさまは撮っていて気持ちいい。それ、大事。

 では、猫の瞳をどのくらい追いかけてくれるのか。なんと一度捉えたら、横を向いてもOKだった。

横を向いたけどちゃんと目に緑の枠が

 えらい。で、このときに撮った写真がこちら。

ところで、手前のキジトラと奥の白猫、何を見てたんだろう。2019年4月 ソニー α7 III

 ついでに舌で鼻を舐めた瞬間も。

瞳AF+AF-Cで追いかけていればシャッターチャンスも逃がさない。2019年4月 ソニー α7 III

 さすがに眠ってる黒猫や白猫の瞳検出は無理だったけど(まあ普通に考えればそうだ)、目が開いていれば黒猫も大丈夫。

黒猫も瞳検出。目をあいてくれてよかった。2019年4月 ソニー α7 III

 これを見ると、ちゃんと手前の瞳にピントが来てるのがわかる。

顎方面からでも瞳検出OK。ちゃんと右の瞳にピントがきてる。レンズは55mmF1.8で前後もいい感じでボケてくれた。2019年4月 ソニー α7 III

 キジトラ、白、黒と来たので最後はハチワレで。猫ベッドからでてこようとしてる姿をどうぞ。

ハチワレを猫瞳AFで。2019年4月 ソニー α7 III

 いやあ、楽しすぎてヤバいですな。ちなみに、α6400やα9も夏頃に「猫瞳AF」対応の予定だ。この2機種はリアルタイムトラッキングAFに対応しているので、よりハイレベルな高速AFを楽しめそうである。

 猫って、よく目をつぶるし、横を向くし、じっとしてないので瞳が見えなくなることも多いわけで、瞳AFの対象としては難敵なのだけれども、よく実現してくれた。将来は「猫の後ろ頭AF」とか「目を閉じた猫AF」とか、とりあえず瞳が見えなくても「これは猫じゃね」となったらそこに合わせてくれるといいなと思っております。今のままでも飼い猫を撮りたい人には超オススメ。

 おかげで構図や露出やシャッターのタイミングに専念できる。しかも、αシリーズはモニターがチルト式なので、さっと開いて猫目線撮影ってのも簡単だし。

 次回は、屋外の地域猫で猫瞳AFに挑戦します。室内にくらべて過酷なシーンでどのくらい猫の瞳を捉えてくれるか、乞うご期待。

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筆者紹介─荻窪圭


著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/


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