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700万円近く得するケースも!不動産投資で「借り換え需要」急増

文● ダイヤモンド編集部,大根田康介(ダイヤモンド・オンライン

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Photo:PIXTA

「最近、金融機関の不動産融資が、投資用アパートから区分所有マンションに大きく舵を切っています」

 こう話すのは、東京マンションオーナーズ代表の依田泰典氏だ。

投資用アパート巡る問題が次々表面化で

 その理由は簡単だ。多くの投資家オーナーが被害を受けた、「かぼちゃの馬車」とスルガ銀行による一連のサブリース問題。またレオパレスによる施工不良問題や、TATERUの融資資料改ざん問題など、ここ最近、投資用アパートを巡る問題が次々と表面化した。

 仮にオーナーがこうした問題で、破産や自殺に追い込まれたなら、貸付金は回収不能となる。そうした事態を恐れて、金融機関の投資用アパートに対する融資姿勢が慎重になるのは、当然の帰結だろう。

 依田氏は、地方郊外や相場よりも割高な家賃設定、また新築でも狭小物件といったアパートには手を出さず、ワンルームから3LDKのファミリータイプまで幅広く、区分マンションを20件以上所有。ほぼ全ての物件で管理組合理事長を自ら務め、積極的にマンション経営に参画している。

審査が緩いと金利4%超えも

 そんな依田氏は「自身が保有している専有部分はもちろん、建物全体の資産価値の維持向上を図っています」と、いわゆる「不動産投資」ではなく、「賃貸不動産経営」の視点が必要だと訴える。こうした意識や情報を他のマンションオーナー仲間と共有する場として、東京マンションオーナーズを立ち上げたという。

 最近のトレンドについて、依田氏は「高い金利で借りてしまったオーナーが、別の金融機関で借り換えしたいという要望が増えました」と話す。

 不動産融資に積極的な銀行の金融機関の中には、他より審査が緩い代わりに金利が4%を超えるようなところもある。そんな金融機関から、別の地方銀行や信用金庫など、より金利が低い方に流れる傾向にあるという。

 地方銀行や信用金庫にしてみれば、金の卵だった不動産融資先の選択肢が減る中で、借り換えによる新規顧客の獲得は願ったり叶ったりだ。そのため、金利も交渉次第で低く抑えられる。

 そこで、実際にどのくらいお得なのか、不動産融資に詳しい税理士法人アイビス(名古屋市)に税務面での1年間の試算をしてもらった。その結果が下の表だ。

税額がアップしてもなお、お得

 この試算なら、元金残高1億円、返済期間が残り20年、金利が3%と仮定すると、1年間の返済額は665万5164円、そのうち元金分が370万5849円、利息分が294万9315円となり、1年後には借入残高が9629万4151円になる。

 ところが、これを金利1%で借り換えした場合、借入残高は9546万498円まで抑えられるのだ。手残りも1年間で113万円増える。一方で、不動産所得がおよそ197万円増えてしまうため、税額は70万円アップする。しかし、それを考慮してもなお、お得なのだ。

 また、ある信金が金融機関の視点からシミュレーションしたのが下の表だ。

自分の金利を知らない高齢オーナーも

 こちらは融資5000万円、借入期間20年、現状の金利を2.5%と仮定。すると、毎月返済額は26万4951円で、総返済額は6358万8240円となる。

 これが、この信金の提案なら金利を1.2%にできるという(昨年10月時点)。すると、毎月返済額が23万4436円まで下がり、総返済額は5626万4640円に抑えられる。その差額は何と732万3600円にもなる。

 もちろん、借り換えには印紙代や事務手数料、抵当権設定・抹消費用などの諸経費が必要だ。これが31万4200円。これを差し引くと700万円近く得をする。ただし、他に一括繰り上げ返済手数料や違約金が必要な場合もあるので、要注意だ。

 特に高齢の物件オーナーなどは「自分の金利が何%なのか、現状を把握していない人が意外と多い」(不動産コンサルティングTLSの山田幸一郎社長)という。自分の金利が何%なのかをまずチェックし、金融機関に借り換えの相談をしてみてはいかがだろうか。

(ダイヤモンド編集部委嘱記者 大根田 康介)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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