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海外事業の分離も控え「さらなるトランスフォームが必要」、創立20周年を“第2の創業”に

NTT Com庄司社長が2019年度戦略語る、開発中サービスも次々披露

2019年04月15日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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強みを持つインフラ、グローバルなデータ収集/分析/加工/流通を“一気通貫”で

 一方で、顧客のデータ利活用を支援するインフラレイヤーのサービスもさらに強化していく。

 庄司氏は、データ利活用を検討する顧客企業では、データを収集/分析/加工/流通するための安全・安心な基盤が求められていると説明する。たとえば「データレジデンシー(データの保管国/場所)」など顧客企業が懸念するデータガバナンスやデータの最適配置の問題に対して、NTT Comではグローバルに展開するデータセンターやネットワーク、パブリック/プライベートクラウドなど幅広い選択肢を組み合わせて最適なインフラを提供でき、さらに全体に対するコントロール=ガバナンスも効かせられる強みがあることを説明した。

 その一例として庄司氏は、今年秋にサービス開始予定の「Flexible Interconnect」の概要を紹介した。これはアプリケーション/データやアクセスデバイスの配置場所にかかわらず、ポータルからオンデマンドで設定できるというもの。さらに接続状況などもポータルで可視化できるという。庄司氏は、これにアプリケーションに最適な経路とセキュリティを適用することができ、データの最適配置とガバナンスを実現すると述べた。

 また同日には、買収した仏トランザテルのeSIMリモート管理技術を用い、196ヵ国/地域の現地モバイルネットワークを利用して安価なIoT通信サービスを提供する新サービス「IoT Connect Mobile」を発表している。これにより、データ収集のためのモバイルネットワークも含めて、NTT Comからデータ利活用インフラを「一気通貫で」提供できるようになったと語った。

開発中の「Flexible Interconnect」では、データ/アプリケーション/デバイスの場所を問わず論理ネットワークでつなぎ、可視化できる世界を目指す

 なおネットワークサービスは190カ国以上、データセンターは20カ国以上に展開しており、2019年度以降はさらに7つのデータセンターを開設予定だと紹介した。

 最後にマネージドサービスの強化施策として、5月から提供開始予定の「Global Management One ITSM Platform」を紹介した。現在提供しているGlobal Management Oneは、グローバルに展開する顧客ICT環境をNTT Comのエンジニアチーム/サービスデスクが運用管理代行するアウトソーシングサービスだが、新たなサービスはセルフマネージド型を志向する顧客向けのサービス。具体的には、パートナーシップを組むServiceNowのITサービス管理(ITSM)上にNTT Comのペストプラクティスを生かした運用フローを実装し、SaaS型で顧客に提供することで、最適な監視/運用を安価に実現できるとしている。

「Global Management One ITSM Platform」では、ServiceNowをベースにNTT Comのベストプラクティスを実装したIT運用管理プラットフォームをSaaSで提供する計画

NTTグループのグローバル事業再編、5G通信サービス開始のビジネス影響は?

 前述したとおり、NTTグループでは今年7月に大幅な組織改編を予定している。すでにグローバル持株会社(NTT Inc)傘下にNTT Com、Dimension Data、NTTデータ、NTTセキュリティ、NTT Innovation Institute(NTT i3)の各グループを移管しているが、ここからさらに、各グループ(NTTデータを除く)の事業を海外と国内に切り分け統合することで、グローバル市場におけるプレゼンス向上と事業強化を図るというものだ。記者との質疑応答においても、このグローバル事業再編についての質問が多く挙がった。

海外市場におけるプレゼンス向上と事業強化を目的に、NTTグループではグローバル事業の統合/再編を進めている

 グローバル事業の再編について庄司氏は、これまでも海外市場では各社が連携する形でビジネスを進めてきたものの、「たとえばDimension DataがITデリバリを、NTT Comがオペレーションを……となると顧客が困る」こともあると説明。海外市場における顧客獲得のために“One NTT”化して臨む狙いだと述べた。

 一方で、国内日系企業のグローバル展開を支援するビジネスは、引き続きNTT Comの役割であることを強調した。現状でも顧客日系企業の半数以上がグローバル展開しており、海外におけるビジネスがなくなるわけではないと語る。

 とは言え現在の海外収益比率は25%に達しており、単純化して言えば事業規模が「4分の3にダウンサイズする」(庄司氏)ため、クラウドやマネージドソリューションのサービスラインアップの拡充を進め、成長を促す必要がある。庄司氏は「2025年の電話網フルIP化までにこうした(回線・データ通信以外の)サービスが整っていれば、国内事業でも一定の収益性を生み出せると考えている」と語った。

 また国内における5G通信サービス開始の影響については、5Gを通じて得られる大量のデータを実ビジネスで活用していくうえでは、5Gネットワークときちんとつなげられるデータ活用プラットフォームを提供していく必要があり、そこにおいてはまだ技術課題もあると説明。「今はウォームアップの段階だと思っている」と述べた。

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