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あのスタートアップは今:

うんことの戦いは続いていた 排泄予知デバイスDFree

2019年04月16日 09時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)

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●うんこへのこだわり

── 腸の動きとはどういうものか。

 うんこが大腸の中を運ばれ、直腸がふくらみ、便意を感じてうんこが出るという仕組みだ。そのときの動きをとらえて、アラートを出すようなデバイスを考えている。腸の中の便の移動は一般的には蠕動(ぜんどう)運動といわれる。そのときの動きをとらえるものだ。昨年の国際福祉機器展(H.C.R.)でコンセプトモデルを発表した。今月から社内と介護施設で排便のデータ取りを開始していて、早ければ来年には、排便予知対応版を販売したい。

排便予知ができるデバイスのコンセプトモデル「B1 concept」

某パッドのようだ

── うんこをあきらめたのかと思っていた。

 うんこへのこだわりは常に持っていた。会社で毎年「今年の1文字」を発表しているがすべてうんこにまつわるものだ。2017年は「便」、2018年は「大」、2019年は「金」。「うんこで金メダルだ」くらいの気持ちだ。

── それはいいが、排尿予知デバイスとしては施設で受け入れられたのか。

 10~20ヵ所くらいの介護施設で試験をしたあと、2017年4月に施設向けに提供開始した。もっと一気に広がるかと期待していたが、理想と現実の差が大きかった。理事長など決裁者は「いい」というが、現場は「それどころではない、新しいものを試す余裕なんてない」と受け入れが難しいこともあった。スタッフに余裕がある施設でなければ難しかった。施設にWi-Fiがなかったり、タブレットが1台しかなかったり、インフラ面で利用が難しいケースもあった。そんな中でも「いい介護をしてきたい」「最後までトイレに連れていきたい」と思って活動している施設に、じわじわ広がっていっている形だ。有料の導入で200施設の実績があり、継続率も高い。理念に合う施設にていねいに導入すれば必ず満足してもらえると信じている。

── 現場の壁も高かったわけか。

 結局オペレーション全体を変えるくらいのことをやっていかないと難しい。他のセンサーやナースコールと組み合わせるなど、医療・介護系テクノロジーの大きな流れに乗っていかなければならない。われわれだけ独走しても仕方ない。そういった改善もすでに一部取り組んでいる。

── 個人向けにも販売している。

 昨年7月にネットで販売開始した。うまく使えなかった場合を想定して2週間の返金保証を付けたが、返金率は高くなかった。それならもっと広く使ってもらおうと、今年3月にビックカメラ・コジマで販売を開始した。家電量販店での取り扱いは初めてだ。

── 海外法人も展開していると聞いた。

 フランスとアメリカだ。フランスは8万床もあるようなヨーロッパ最大の介護チェーンから「導入したい」という話があった。現在トライアルを進めている。言葉が違ってもニーズは同じだ。アメリカでは、お子さんに障害があり「まさにこれがほしかった」という元ソニーの人がこの仕事を手伝いたいと言ってくれて、今アメリカ支社長として活動してくれている。

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