サービスとなった「Apple TV」
アップルの3月25日開催のイベント「It's Show Time」は、冒頭、Tim Cook CEOが述べたとおり「異例」のイベントとなりました。
アップルのイベントと言えば新製品を心待ちにしている人も多いと思いますが、今回は完全にサービス部門にフォーカスし、サブスクリプションサービス4つ、そのうちテレビの視聴環境を整えるアプリ1つ、ペイメント1つが披露されました。
サービス部門はアップルの次の成長の源泉と期待されているカテゴリで、2016年から2020年までの4年間に、売り上げ規模を2倍の年間500億ドルへと押し上げる目標を掲げています。
この目標は、目標の時期よりも早く達成する可能性も指摘されています。というのも、直近2019年第1四半期(2018年10~12月)のサービス部門の売上高は100億ドルを突破し、引き続き20%弱の高成長を維持しています。
このペースを続けると、次の四半期には120億ドルを超える売上高を達成し、維持していけば年間500億ドルのペースに達するのです。
iPhoneを中心としたiOSのユーザーベースは10億に達しており、サービス部門のオーガニックな成長を実現してきました。しかしiPhoneの売上高にブレーキがかかったことで、既存のiPhoneユーザーからのサービス部門での支出を促すサービスの拡充を行うべきタイミングにさしかかっている、と見ることができます。

この連載の記事
- 第317回 アップル初のApple Parkでの開発者イベント、初公開の「Loop Building」とは
- 第316回 「Mac Studio」アップルの多様すぎる接尾語について考える
- 第315回 アップル「Mac Studio」登場で生じる、ラインアップへの疑問
- 第152回 アップル「MacBook Pro」ポート増加は敗北なのか
- 第151回 iPhone分解アートと、Appleが目指す未来
- 第150回 アップル新型「MacBook Pro」どの構成で買うべきか
- 第149回 アップル「iPhone 13」4つの魅力
- 第148回 アップルiPhoneラインナップから浮かび上がる2つのこと
- 第147回 アップル製品ラッシュふたたび?
- 第146回 アップルはiOS 15で「時間の支配権」をユーザーの手に取り戻させようとしている
- 第145回 アップル新型「iMac」驚きの電源
- この連載の一覧へ