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Insight ProやOrbi Proによる新たなサービスモデル、4K映像伝送の新市場への取り組みなど

新領域を開拓するネットギア、製品担当幹部4人に聞く最新動向

2019年05月29日 08時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp 写真● 曽根田元

提供: ネットギア

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Orbi Pro:中小企業にも“ネットワークのDIYモデル”で展開

 Orbi Proについてはまず、従来の法人向け無線LAN製品との住み分けについて聞いてみた。セキュリティ&ワイヤレス担当プロダクトライン・マネージャーのナダー・アター氏は、Orbi Proが適しているのは従業員数名~数十名規模の企業で、ある程度広いWi-Fiエリアを必要としていること、1アクセスポイントあたりの接続ユーザー/デバイス密度が高いこと、重要度の高い業務でWi-Fiを使うこと、といった要件を挙げつつ、Orbi Proで最も重要な点は「IT知識のない人でも簡単に設定、設置できること」だと強調した。

 「Orbi Proの最も重要な点は『ITの知識がない人でもすぐに設置して使える、完全なビジネスネットワークソリューション』であることだ。法人向けのルーター、スイッチ、Wi-Fiが、スマートフォンアプリから15分以内で設定完了する。われわれはこれを“Business-Network in a Box”と呼んでいる」(ナダー・アター氏)

米ネットギア セキュリティ&ワイヤレス担当プロダクトライン・マネージャーのナダー・アター(Nader Attar)氏

 セミナーではOrbi Proを自ら導入、セットアップした米国の飲食店舗、小さなオフィスのオーナーなどのインタビュービデオが何本か紹介された。いずれもふだんはITと縁遠い立場の人々だが、スマートフォンアプリを使えば簡単にセットアップできると証言していた。

 「実はOrbi Proの発売後、わたしも自宅に1セット持ち帰り、妻にセットアップをお願いした。妻はITの専門家でもないし技術的なバックグラウンドも持たないが、それでも20分以内でセットアップできた」(アター氏)

 日本市場においても、Orbi Proについてはセットアップや設置をエンドユーザー自身に依頼する“ネットワークのDIYモデル”で展開していきたいと語る。それでは、販売パートナーやSIerはどういう役割を果たすのか。アター氏は、前述のIsight Proを利用した「運用管理のマネージドサービス」を請け負うことができると説明した。

 「米国では、Orbi Proを送付してセットアップや設置は顧客自身にやってもらう一方で、Insight Proを通じてリモートから日常的な稼働監視やサポートを行い、月額のサポート料をもらうMSPも登場している。トラブルシューティングのために現地(顧客サイト)に行くための時間やコスト(トラックロード)は1回あたり平均200ドル前後かかると言われているが、これが節減できる。結果的には効率的なビジネスなのだ」(アター氏)

SDVoE市場:4K映像もIPネットワークに統合、強みを発揮していく

 最後に、ネットギアにとっては新市場への進出となるプロフェッショナル映像/音声(ProAV)市場への取り組みだ。ダグ・チェン氏は現在、ProAV市場の潮目が変わりつつあり、ネットギアではそこに大きなビジネスチャンスがあると考えていると語る。

 「ビジネスチャンスの背景となるもの。ひとつはサーキット(回路)スイッチからパケットスイッチへの転換、ふたつめは映像の4K/8K化や高品位なコンテンツ伝送ニーズ、そしてビデオウォールやマルチ画面に対する映像配信ニーズの増加だ」(ダグ・チェン氏)

 SDVoEは、IEEEが定めたオープンなIPネットワークの標準仕様に基づいて策定された、業界標準の映像伝送仕様である。具体的には10GbEネットワークとIPマルチキャスト技術を使って、4Kビデオをロスレス/遅延なしで伝送できる。ダグ・チェン氏は、ネットギアは早期から10GbEネットワークに取り組んできたネットワーク機器メーカーであり、SDVoEアライアンス創立メンバーの1社として、特に同仕様のネットワーク関連部分に知見を提供してきたと話す。

 ベロナ氏は、15年ほど前に回線交換式の電話がパケット(IP)ネットワークのVoIPに切り替わったことを挙げて「これからの10年間でビデオ/映像にも同じことが起きる。そのほうが効率的であり、機器のコストも安上がりになる」と語った。

 SDVoE仕様において、もうひとつ重視されてきたのが「シンプルさ」だ。セミナーの中でダグ・チェン氏は、SDVoEの構成は「映像ソース→エンコーダー→10GbEネットワーク(スイッチ)→デコーダー→ディスプレイ(表示装置)」という5つだけであることを繰り返し強調していた。

 これに加えて、ネットギアでは「つなげばすぐに使える」シンプルさも提供しようとしている。フルマネージド/10GbEスイッチの「M4300シリーズ」を“SDVoE Ready”製品として、あらかじめSDVoE向けの設定を施したうえで出荷している。ポート数の異なる豊富なラインアップも備えており、ITやネットワークに詳しくない映像業界のエンジニアでも必要なスイッチを簡単に選び、すぐに使えるような仕組みだ。

 「ネットギアはこれまでSMB市場において、テクノロジーを『適切な価格』と『適切な使いやすさ』で提供することによって成功を収めてきた。ProAV市場への展開戦略もそれと同じで、市場における『適切な価格』『適切な使いやすさ』を見定め、実現していかなければならないと考えている」(ダグ・チェン氏)

 ちなみにSDVoEに加盟するサードパーティ(映像機器メーカー)との取り組みとして、ネットギアのモジュラー型スイッチ「M4300-96X」において、シャーシに組み込めるSDVoEエンコーダーモジュールの開発にも取り組んでいるという(プレスリリース)。製品化は未定だが、実現すればM4300スイッチに直接HDMIケーブルを接続して映像入力ができる、包括的なソリューションも誕生しそうだ。

(提供:ネットギア)

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