■補償金はグローバルスタンダードなのか
自民党内のワーキンググループでは「補償金制度はグローバルスタンダードだ」という意見があるという。自民党関係者は「自民党はグローバルスタンダードという言葉にめっぽう弱い」といい、「日本もグローバルスタンダードに後れをとってはいけない。補償金を強化すべきだ」という流れになる可能性があるという。
しかし、補償金に詳しい関係者は「全世界の補償金徴収額の9割がヨーロッパ。そのうち7割はドイツ、フランス、イタリアであり、補償金制度はグローバルスタンダードではない」と一蹴する。
むしろ、アメリカは私的複製権利制限がなく、補償金制度も事実上、縮小傾向にある。そのため、アメリカは他国に比べて国民一人あたりの音楽・製造市場規模が圧倒的に大きい(アメリカは8万6047円、日本は3万8986円)。
音楽・映像市場規模の拡大を目指すのであれば、補償金のないほうが望ましいのではないか。
3月25日にはアップルも新たに映像配信サービス参入を発表した。音楽も映像もストリーミング配信が全盛となっていくだけに、もはや補償金の議論は時代錯誤も甚だしいといえそうだ。
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