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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情第503回

業界に多大な影響を与えた現存メーカー サーバー事業が現役のIBM

2019年03月25日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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用途によって2種類に作り分けられた
POWER8

 おもしろいのはここからだ。POWER8の世代でIBMはチップをスケールアップ(SMPのコア数を増やす方向)に向いたチップと、スケールアウト(クラウドなどサーバーの数そのものを増やす方向)に向いたチップの2種類に作り分ける。

スケールアウトの方はチップのインターコネクトが小さいものに変更され、その代わりCAPIなどのアクセラレーター接続用I/Fが強化された

 また、POWER8はCAPI(Coherent Accelerator Processor Interface)と呼ばれる独自のアクセラレーター用のI/Fを搭載した。これは2016年にOpenCAPIに進化して仕様も公開されたが、当初はあくまでIBMの独自規格であり、そしてこのCAPIに対応したのがNVIDIAのNVLinkであった。

 当初の目的は、それこそGPUと組み合わせてのHPCシステムの構築であり、その最初のものがオークリッジ国立研究所のSummitとロスアラモス国立研究所のSierraになる、という話は連載340回で説明した通りだ。

 POWER8は他にも拡張命令がずいぶん強化されており、特に暗号化関連は大幅に性能を上げているのも特徴だ。

POWER8で強化された拡張命令。SIMD演算命令の能力がほぼ倍増している上、圧縮/伸長エンジン、暗号化エンジン、RAID用チェックサムなどのアクセラレーターが追加されている
暗号化処理の特徴と性能。POWER8では主要な暗号化エンジンはコア内に搭載されており、また処理のスループットも大幅に向上している

 こうした強化の結果、POWER8はPOWER7と比較して、以下の性能になっている。またIvy BridgeベースのXeonと比較して1.8~2.7倍の性能(2ソケットベースのサーバー同士での比較)と報告されている。

  • 1スレッド動作で2.3倍の性能と処理反応時間56%減
  • 全スレッド動作で2.9倍の処理性能と反応時間31%減

 このPOWER8ベースの製品は、まず2014年4月にスケールアウトモデルのIBM Power System S812L~S824Lが、翌2015年に今度はスケールアップモデルのIBM Power System E850~E880がリリースされた。2016年にはそのスケールアップモデルのクラウド対応版としてIBM Power System E850C~E880Cもリリースされた。

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