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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第502回

業界に多大な影響を与えた現存メーカー 現在に続くIBMのメインフレーム事業

2019年03月18日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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2017年7月に発表された
最新機種z14

 ということでやっと現代にたどり着いた。このzシリーズの最新のものが、2017年7月に発表されたz14である。搭載されるz14プロセッサーは14nm FinFETプロセスで製造され、ついに10コアになった。

z14プロセッサー。ダイサイズは696平方mm。奇しくも4次キャッシュとなるSCチップも同じくダイサイズは696平方mmである

 各コアごとに2MBの命令2次キャッシュと4MBのデータ2次キャッシュを搭載、さらに128MBの共有3次キャッシュを搭載する。これをDrawerに搭載するのはz13と同じで、したがってDrawerあたり最大60コア(実際は41コアに制限される)で、他に4次キャッシュ兼外部I/F(他のDrawerとの相互接続用)のSCを1つ(4次キャッシュ用に672MB eDRAMを搭載)載せる形である。

 命令パイプラインそのものは基本z13の延長にあるが、SIMD命令の強化やBTB(分岐先バッファ)の大容量化などにより、IPCそのものも若干改善されたほか、動作周波数を5.2GHzに引き上げている。こちらは通常構成で最大141コア、ハイエンド向けのM05というモデルで170コアまでの構成をサポートしている。

 2018年4月にはエントリ向けにz14 Model ZR1もリリースしており、こちらは動作周波数とコア数を減らしたもの、というのはこれまでと一緒である。

 ということで、駆け足でzシリーズを最新まで全部追っかけてみた。実はzシリーズの場合、さまざまな拡張機能があって、これだけで連載ができるほど興味深い話はあるのだが、今回は概略だけを紹介した形だ。次回はPOWERの系譜を解説しよう。

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