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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第502回

業界に多大な影響を与えた現存メーカー 現在に続くIBMのメインフレーム事業

2019年03月18日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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年々悪化するハードウェア部門の売上

 2018年の年次報告を見ると、Systems(Technology ServicesはCloud Platformsとあわせて別部門になった)の売上は80億3400万ドル、粗利率40.5%を誇る。ただIBM全体としての2018年の売上は795億9100万ドルで、売上全体に占める割合は10%ほどでしかない。

 しかも細かく数字を見ると、このうち純粋にハードウェア(IBM Z/Power System/Storage System)は63億6300万ドルで、他にOSなどのソフトウェアが16億7100万ドルとなっているので、厳密な意味でのハードウェアの売上は売上全体の8%ほどにまで低下している。

 Storage Systemは、SANやNAS向けのコントローラーとストレージそのものなので除外すると、現在もまだ製造・販売を続けているのはメインフレームであるIBM Zと、POWERプロセッサーを利用したPower Systemの2系統である。

 ただ金額はIBM社内で見れば少ない方だが、IBMから売却されたLenovoの状況を見てみると、たとえば2018年度(2017年4月1日~2018年3月31日なので、IBMとは期間がずれていることに注意されたい)の年次報告によれば、総売上は453億5000万ドルで、粗利は62億7200万ドル、税引前利益は1億5300万ドルでしかない。

Lenovoの2018年度年次報告

 そこから税金が引かれた結果、税引き後は1億2700万ドルの損失。ちなみに2017年度は税引き後に5億3000万ドルの利益だったので1年でずいぶん悪化した気がするが、よく見たら2017年度は営業外収入が4億5000万ドルほどあったのが2018年度はなくなったのが最大の要因のようだ。これに比べるとIBMの収益の優秀さが良くわかる。

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