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最新パーツ性能チェック 第254回

DRAMレスSSDでも高速アクセスを実現!

HMBはNVMe SSD低価格化の切り札!?東芝メモリ「BG4」で実力検証

2019年03月19日 11時00分更新

文● 北川達也 編集●ジサトライッペイ

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キャッシュエリア内のリード性能は大幅アップ

 さて、ここからはベンチマーク結果からHMBの効能について見ていく。今回の検証では、HMBオンでデフォルトの容量(BG4では61MB)の場合、HMBオンで確保可能な最大容量(BG4では64MB)を設定した場合、HMBオフの場合の3パターンで検証を行なっている。

 まずは検証は定番ベンチマークソフト「CrystalDiskMark」で最大速度の確認を行なった。比較用として前世代の「BG3」とDRAMを搭載するSAMSUNG製SSD「970 EVO Plus」(500GB、M.2 NVMe)の速度も計測している。

970 EVO Plusの結果。シーケンシャルリードで3546.6MB/s、同ライトで3290.6MB/sと高速だ。

HMBオンのデフォルト容量設定(確保メモリー容量61MB)

BG4の結果。シーケンシャルリードは2279MB/s、同ライトは1463.4MB/s。なお、ランダムライト速度があまり速くないのは、疑似SLCキャッシュが切れているためと推測される。

BG3の結果。シーケンシャルリードがBG4と比較して遅いのは、インターフェースがPCI Express 3.0×2接続であることが理由だ。

HMBオンの最大容量設定(確保メモリー容量64MB)

BG4の結果。シーケンシャルリードが若干速くなっているが、それ以外の速度はデフォルトの場合と大きな差はない。

BG3の結果。デフォルトの場合と大きな差は見られない。

HMBオフ設定

BG4の結果。リード速度が全般的に低下している。特にランダムリードの落ち込みが著しい。また、ランダムライトも遅くなっている。

BG3の結果。BG4と同様にリード速度が遅くなっている。ランダムリードの大きな低下もBG4と同じ傾向だ。

 HMBオンの速度はHMBオフの場合と比べてやはり高速だ。特にリード性能の向上が大きい。さすがに最新NVMe SSDである970 EVO Plusには叶わないが、BG4は初期に登場したNVMe SSDと同等程度と言っていいレベルだ。

 また、BG3と比較した場合もリード性能が向上している点が目立つ。これは、主にBG4のインターフェースがBG3のPCI Express 3.0×2からPCI Express 3.0×4に高速化されていることの恩恵だろう。シーケンシャルライトについてもBG4はBG3から高速化されており、HMBオフの状態で比べても約161MB/sも速い。

 なお、HMBがオンの状態はシーケンシャルリードもHMBオフの状態と比べて高速化している点も興味深い。後述するTxBENCHのランダムライトでも2GBのエリアまでは速いことを考えると、HMBで確保したメモリーにアドレス変換テーブルの一部がキャッシュされることで、コントローラー内部のSRAMの使い方がHMBオフの状態とは異なるのかもしれない。

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