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最新パーツ性能チェック 第253回

GTX 1660 TiにGTX 1060 6GB版/3GB版、GTX 960 2GB版と比較

GeForce GTX 1660登場、3万円台前半Turingのコスパを検証

2019年03月14日 22時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集●ジサトライッペイ

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GTX 1660 TiにGTX 1060 6GB版/3GB、GTX 960 2GB版と比較

 今回の検証環境は以下の通りだ。GTX 1660はGTX 1060の3GB版の置換がテーマであるため、GTX 1060は6GB版と3GBの2種類を用意した。また、GTX 960は2GB版しか試せなかったが、GTX 1660 Tiレビュー時にGTX 960 4GB版をテストしている。ドライバーのバージョンは微妙に異なるが大きく性能は変化しないので、そちらを参考にして頂きたい。

 ちなみに今回のドライバーは419.35(WHQL)がベースだが、GTX 1660のみ419.35ベースのベータ版を使用している。また、各ビデオカードは付属のオーバークロック(以下、OC))ツールなどは一切導入せず、定格の状態で比較する。

検証環境
CPU Intel「Core i9-9900K」(8C/16T、3.6~5GHz)
CPUクーラー NZXT「Kraken X72」(簡易水冷、360mmラジエーター)
マザーボード GIGABYTE「Z390 AORUS MASTER」(Intel Z390)
メモリー G.Skill「F4-3200C14D-16GTZR」(DDR4-3200 8GB×2、DDR4-2666で運用)
グラフィックス ASUS「PH-GTX1660-O6G」(GeForce GTX 1660)、ASUS「ROG-STRIX-GTX1660TI-O6G-GAMING」(GeForce GTX 1660 Ti)、ZOTAC「GeForce GTX 1060 AMP! Edition」(GeForce GTX 1060 6GB版)、ASUS「DUAL-GTX1060-O3G」(GeForce GTX 1060 3GB版)、ASUS「STRIX-GTX960-DC2OC-2GD5」(GeForce GTX 960 2GB版)
ストレージ Western Digital「WDS100T2X0C」(M.2 NVMe、1TB SSD、システムドライブ運用)、Crucial「MX300 CT1050MX300SSD4/JP」(M.2 SATA、1.05TB SSD、データドライブ運用)
電源ユニット SilverStone「SST-ST85F-PT」(850W、80 PLUS Platinum)
OS Microsoft「Windows 10 Pro 64bit版」(October 2018 Update適用)

メモリー帯域のぶん性能は控えめ

 いつもの「3DMark」から検証を始めよう。TuringベースではあるがDXRに対応しないGPUであるため、お馴染みの「Fire Strike」と「Time Spy」ベースのテスト4本を使用する。

「3DMark」のスコアー。

 GTX 1660 Tiから1割程度CUDAコアをオミットしたGTX 1660だが、3DMarkでのスコアーは平均20%程度下がっている。CUDAコア数減よりも、VRAMをGDDR6からGDDR5に落とし、メモリー帯域を削ったことのほうが効いているようだ。それでもGTX 1060 6GB版よりやや高い性能を示している。

 そして、そこからCUDAコア数やVRAMが減っているGTX 1060 3GB版とは大きな差がついた。GTX 1060 3GB版のポジションにGTX 1660というのは順当なパワーアップを伴う世代交代と言えるのではなかろうか。

 では消費電力をここで比較してしまおう。消費電力計はラトックシステムのBluetoothワットチェッカー「REX-BTWATTCH1」を使用し、アイドル時(システム起動10分後の安定値)、高負荷時(Time Spyデモ再生中のピーク値)、SotTR時(「Shadow of the Tomb Raider」プレイ時のピーク値)をそれぞれ測定した。

 さらに大雑把なワットあたり性能指標として、前出のTime Spyのスコアーを高負荷時の消費電力で割り、1Wの消費で得られたTime Spyのスコアーも比較する。

 なお、今回準備したGTX 1660 Tiは3連ファン搭載のOCモデル。これに対し、GTX 1660はシンプルな設計のエントリーモデルであるため、両者を直接比較するのは結構強引ではある。あくまで参考程度に留めておいてほしい。

システム全体の消費電力。

1WあたりのTime Spyスコアー。

 高負荷時の消費電力差は24Wだが、OCモデルとエントリーモデル。これがGTX 1660 Tiと1660の純粋な差とは言い難い。ただし、ワットパフォーマンスを見ると、GTX 1660 Tiが1Wあたり約29スコアー、GTX 1660が約27スコアーなのでややワットパフォーマンスは劣るようだ。

 ただし、Pascal世代のGTX 1060は3GB版も6GB版も1Wあたり約20スコアーなのでGTX 1660のワットパフォーマンスは悪くはない。VRAMの帯域がTuringのワットパフォーマンスの高さの一因であると言えるだろう。

 続いては「VRMark」でのテストだ。Turing世代のGPUは“Cyan Room”のパフォーマンスが高い(単純にTuringと相性の良いテスト)ことが知られているが、GDDR5を組み合わせたGTX 1660でも同じ傾向が得られるだろうか?

「VRMark」のスコアー。

 最も軽いOrange RoomでもGTX 1660 Tiが10000スコアーを超えた一方で、GTX 1660は8000スコアー台とだいぶ差がついた点は、3DMarkの傾向と共通している。

 GTX 1660対GTX 1060という視点で見ると、シェーダーの古いOrange RoomではGTX 1060の17~25%増し程度だが、シェーダーの新しいCyan Roomでは37~46%と劇的に伸びている。VRAM帯域が狭いハンデはあるものの、GTX 1660はTuringならではの性能向上を享受できるGPUであると言えるだろう。

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