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テクノロジーで食農を成長産業に

Amazon化する食農業界に一石を投じる、アグリゲートが思い描く未来

2019年03月25日 08時00分更新

文● 羽野三千世/TECH.ASCII.jp 撮影●曽根田元

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生産地に眠っている地域資源をほりおこし価値化する

--食農業界で生産から販売までを一気通貫で提供するSPFによって、どのような成果や価値が生まれましたか?

左今:従来の分断された食農流通では、生産者は農産物を少しでも高く売りたい、仕入・卸は少しでも安く仕入れて高く卸したい、小売店も安く仕入れて高く売りたいといったように、お互いにぎすぎすした敵対状態が生まれ、結果として都市で売られる農産物が適正価格にならず、関わる全員が疲弊すると思いました。一方、地方の生産者と都市部の販売者がつながるSPFのビジネスモデルでは、生産地に眠っている資源をほりおこして価値化することが可能です。

例えば、アグリゲートはこれまで都市に出荷されてこなかった規格外野菜を流通・小売や製造のバリューチェーンにのせて、生産地に新たな利益を創出しました。国内の野菜の生産規模は約2兆円、果物は約1兆円ですが、そのうち30%が規格外だと言われています。規格外の野菜・果物を商品化することで、3兆円の30%、規格外なので、その10%の金額と見積もっても、900億円もの付加価値を付けられるイノベーションが見えてきました。

今、世界の流通・小売業界を席捲しているAmazonは、すでに商品化されているものを効率よく販売することには長けています。しかし、地域資源を新たに価値化することはできない。対面販売をするリアル店舗の店頭で、その新しい地域資源が商品化できるかどうかを判断して自社のバリューチェーンにのせることができる――。これがAmazonにはないアグリゲートの強みです。

--現状のSPFにはどのような課題がありますか?

左今:生産から販売までのデータ活用が課題です。店頭で商品化の判断や仕入の最適化を行うためには、個々の商品ごとのつぶさなデータが必要です。例えば、同じ種類の野菜でも産地や生産者が変われば売上が増えたとか、惣菜をどのくらい製造すると店舗の粗利が最大化するのかなど、細かなデータを見ていかなければいけません。店舗間の情報共有、生産と小売のデータ連携も必要です。このようなシステム基盤を構築するために、このたび、アグリゲートCTOに長を迎えました。

--長さんはアグリゲートにジョインする前はどのような仕事をしていたのですか?

:クックパッドのエンジニアとして、決済システムや料理教室運営サービスの開発・運用を手掛けていました。学生のときにRuby開発で有名だったクックパッドでインターンをしたのをきっかけに、そのまま入社しています。

2018年夏頃に左今に誘われて、今年1月にアグリゲートへCTOとして入社しました。実は、左今とはもう5~6年の付き合いになります。学生時代に、フリーランスのエンジニアとして、アグリゲートの今のIT基盤を構築しました。ですので、これまでのアグリゲートの沿革やビジョンを知っていますし、食農ビジネスやSPF事業の難しさも理解しています。その難しさにエンジニアとして向き合って、テクノロジーで食農の世界を変えていくことにやりがいを感じて、アグリゲートにジョインしました。CEOの左今の人柄も昔から知っていて、信頼しています。この人となら組んでもよいなと思ました。

1月にCTOとしてジョインした長俊祐氏(左)は学生時代に現在のアグリゲートのシステム構築を手掛けた人物。左今氏とは気心の知れた仲だ


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