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頑張っても結果が出ない人に共通する「ざんねんな努力」とは

2019年03月07日 06時00分更新

文● 川下和彦(ダイヤモンド・オンライン

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ざんねんな人の特徴
頑張っても成果が出ない人にこそ知ってほしい、頑張らずに結果を出す3つのポイントとは? Photo:PIXTA

一生懸命頑張っているのに、仕事で結果が出ない。認められない。そんな葛藤に悩んでいる人は多いはず。総合広告会社でクリエイティブディレクターとして活躍する川下和彦さんもそんな1人だったが、ある小さな習慣をきっかけに10年以上続いた「ざんねんな状態」を脱することができたという。なぜ川下さんは、ざんねんな状態を抜け出せたのか。その理由とともに、一生懸命頑張らなくても結果が出せるようになった方法を紹介する。

「カネない、モテない、デキない」
10年以上続いた三重苦状態

川下和彦川下和彦
クリエイティブディレクター/習慣化エバンジェリスト
2000年、慶應義塾大学大学院修士課程終了後、総合広告会社に入社。マーケティング、PR、広告制作など、多岐にわたるクリエイティブ業務を経験。2017年春より、新しい事業を創造し、成長させることを標榜するスタートアップ・スタジオに兼務出向。広告クリエイティブに留まらず、イノベーション創出に取り組んでいる。著書に『コネ持ち父さん コネなし父さん』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『ざんねんな努力』(アスコム)などがある。 写真:原貴彦

 私は現在、総合広告会社に勤めており、かつては一生懸命頑張っているのに一向に結果が出ない「ざんねんな努力」を続けていました。しかし、あることをきっかけに正しいアプローチを身につけてから、頑張らなくても結果が出せるようになったのです。そこで、今回は私の実体験を振り返りながら、頑張らずに結果を出す方法をご紹介したいと思います。
 
 私は2000年に総合広告会社に就職しました。入社当時は身長175cmに対して、体重は約60kgの少しやせ気味の体形でした。ところが、元来、意志が弱いだけでなく、お酒が大好きだった私は、お得意先や会社の上司、同僚から誘われたら断れず。あちこち飲み歩き、ラーメンで〆て深夜に家にたどり着くと、着の身着のままベッドに倒れ込む毎日でした。

 そんな私がどうなったかは、想像に難くありません。体重はたちまち20kg以上増加し、肌は荒れ放題。飲み会に行けば行くほど、お財布は寂しくなっていく一方。揚げ句の果てにはスッカラカン。服装に関しても、体形を隠せるドバッとした、大きいサイズばかりを選ぶようになっていました。飲み過ぎで慢性的に体はだるく、頭はボーッとしている。判断力が弱っているから、仕事は先延ばし。こうして見事に、「カネない、モテない、デキない」の三拍子揃った人間になっていました。

 三重苦から抜け出したいと思っていた私は、毎年新年を迎える度に、「今年こそ貯金するぞ!」「ダイエットするぞ!」「仕事で結果を出すぞ!」と張り切って抱負を掲げていました。

 ところが、節約の決意はあっという間に新年会ラッシュに押し流される。意気揚々とジムに申し込んでも、華麗なる三日坊主で長く続かない。重たい頭と体を引きずっているようでは当然いい仕事なんてできるわけがない。貯金、ダイエット、仕事でハッスル、どれもこれも1週間もしないうちに挫折。そうこうしているうちに、10年以上ずっと変われない自分のまま過ごしていました。まさに、延々と「ざんねんな努力」を繰り返していたのです。

人生が変わり始めたきっかけは
「家計簿アプリ」入力という1つの習慣

 しかし、40歳が視界に入ったとき、さすがにこのままではマズイと思い、わらをもつかむ思いで、スマホをつかみました。そこでまず、自分自身の財政再建に取り組んだのです。

 難しいことや複雑なことをやろうとしても、どうせすぐに続かなくなるのは自分が一番よくわかっています。そこで、たった1つ小さな小さな習慣を続けることにしました。

 まず、家計簿アプリをダウンロードし、使ったお金を毎日入力するようにしました。1日に数回。ただそれだけ。それ以外のルールは一切つくりませんでした。あまりにも小さなことで笑われるかもしれませんが、毎日記録し続けていると、やがて「今日もできた」「今日もできた」という小さな達成感が得られるようになり、これなら「明日もできる」という自信に変わっていくのがわかりました。

 そのうち、お小遣いを管理する感覚が身につき始め、これまで無意識にやってしまっていた無駄遣いを控え、少しずつ貯金に回すことができるようになったのです。

 小さな成功体験の積み重ねで、「自分にもできる」と思うようになった私は、同じ要領で次にダイエットに取り組みました。最初に考えたのは、夕食は飲みのお誘いが多く、断るのにエネルギーがいるので、自分でコントロールしやすいランチのボリュームを減らすことでした。少しずつ体重が減ってくるとうれしくなり、もっと結果が出せるように運動したいと思うようになりました。

 ただし、私はジムに通い始めてから1週間以上続いた試しがありません。ウェアを用意し、出かけて、ジムに着くと着替えて、やっとトレーニングができるという工程を考えただけでも、自分には絶対に続けられないと予想できたため、すべて自分の家で完結させることができるメニューを組もうと考えたのです。それも、一度にいくつものメニューに取り組むのではなく、1日たったの1メニューで。

 すると、単に体重を落とすのではなく、筋肉をつけながら、1ヵ月で5kg、3ヵ月で15kgのダイエットを達成することができたのです。それから3年以上がたつと現在も、そのときの習慣を維持し、理想の体形をキープすることができています。人生のグッドスパイラルに入った私は、身だしなみの改善、ビジネスのパフォーマンス向上においても結果を出すことができるようになりました。そして、2019年の元日からこれまでずっとやめられなかったお酒を断ち、この記事を書いている現在も連続禁酒記録を更新し続けています。

なぜ結果が出ないのか?
頑張らずに結果を出す3つのポイント

 では、貯金でもダイエットでも仕事でも、どうすれば結果を出すことができるようになるのでしょうか? 

 詳しくは、たむらようこさんとの共著である『ざんねんな努力』(アスコム刊)に書かせていただきましたが、ここでは3つのポイントに絞ってご紹介したいと思います。

ポイント1:意志の力に頼らない

 なぜ頑張っているはずなのに、結果が出ないのでしょうか?

 その答えは、すでに「問いの中」にあります。結果が出ないのは、「頑張っているから」に他なりません。誤解がないように申し上げておきますと、私は頑張ること自体がよくないと申し上げているわけではありません。頑張ったからこそ、学べることがあります。しかしながら、おそらく皆さんもご自身の経験から感じられているように、人間は一時的に頑張ることはできても、ずっと頑張り続けることはできないのです。

 その証拠に、フロリダ州立大学の心理学者であるロイ・バウマイスター氏は、実験を通じて「意志の力は、使えば減っていくガソリンのようなものである」ということを科学的に立証しています。

 つまり、頑張って意志の力を使ってしまうと、まるで車がガソリンを消費するように意志の力を使い果たし、次第に続かなくなり、よほど強靭な意志の力を持ち合わせた人でもない限り、大抵は途中で挫折してしまうことになるのです。

ポイント2:小さな目標を立てる

 意志の力を使わないで、始めたことを続けるためにはどうすればよいのでしょうか?

 それは、意志の力を使わなくて済むくらい、小さな行動に取り組むことです。意志の力が満タンでやる気があふれているときは、「よしっ、やるぞ!」と大きな目標を立てがちです。

 ところが、そこで頑張ってしまうと、アクセルを深く踏み込んだ車のガソリンほどすぐになくなってしまうように、あっという間に意志の力が底をついてしまいます。

 そこで、最初はばかばかしいと思うくらい小さなことから始めるのです。トレーニングであれば、最初から「ジムで1時間」と意気込むのではなく、「自宅で5分」というように、簡単すぎると思うくらいのことがちょうどよいでしょう。

 人は毎日同じ生活をしているわけではありません。暇なときもあれば、忙しいときもあります。元気なときもあれば、疲れているときもあります。暇なときや元気なときに合わせて目標を設定してしまうと、忙しいときや疲れているときに続かなくなってしまいます。

 ですから、「本当に、これでいいの?」と不安になるくらい小さなことからスタートするのが、結果を出すための重要なカギを握っているのです。

ポイント3:自動化するまで、ひたすら繰り返す

ざんねんな努力川下和彦さんとたむらようこさんとの共著『ざんねんな努力』(アスコム刊)

 最後は、ばかばかしいくらい小さな行動をひたすら繰り返すことです。多くの方は小さい頃に自転車に乗る練習をしたことがあるでしょう。最初はバランスをとるのが難しく、上手に乗れるようになるまで何度も挑戦したと思います。ところが、乗り方をマスターし、繰り返し乗っていると、バランスを意識しなくても、自然に乗っている状態になっていたのではないでしょうか。

 それと同じように、人が何かそれまでできなかったことを習得しようとするとき、最初は「できない」状態です。それに対して、意識して何度か取り組むうちに、やがて「できる」状態になります。それを繰り返していると、自転車に乗れるようになったのと同じように、今度は無意識に「やっている」状態になります。

 このように、人間の脳は繰り返しやっていることを自動化プログラムにする特性があり、人は自分自身を自動操縦モードにすることができるのです。

 意志の力を使わず、ばかばかしいくらい小さな行動を繰り返し、自動化する。1回1回は小さな行動の結果でも、それが積み重なってふと気がついたと気には、自分でも驚くほど大きな結果につながっているのです。

 いかがでしたでしょうか?

 『ざんねんな努力』の中には、頑張っているのに結果を出せない人が住むガンバール国と、頑張っていないのに結果が出せる人が住むガンバラン王国という2つの国が登場します。この記事や書籍を読んで実践してくださった方が国境をまたいでガンバラン王国の国民になり、結果を出す喜びをつかんでいただけたら、それに勝る喜びはございません。

(クリエイティブディレクター、習慣化エバンジェリスト 川下和彦)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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