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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第31回

Google Homeにも対応するか:

アップル「どこでもApple Music」戦略

2019年03月05日 16時00分更新

文● 松村太郎 @taromatsumura

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●iTunesの前例を考える

 そのApple Musicが、ハードウェアとして競合になりそうなAmazon Echoで使えるようになったというニュースは、驚きと納得が入り乱れたものでした。

 2018年12月、Apple Musicは突然Amazon Echoでの再生に対応し、AlexaにApple Musicのライブラリの再生を命じられるようになりました。2019年1月にはアップルのサイトにもサポート文書が掲載され、手順を知ることができます。

 アップルには音声アシスタントSiriがあり、これは現状アップルデバイス以外には門外不出の状態です。この点は、AlexaやGoogleアシスタントを他社製品に組み込めるようにしている競合とは異なる戦略です。

 もっともアクティブユーザー13億人のほとんどがSiriにアクセスできる状態になっている点は、どの音声アシスタントと比較しても十分に大きな規模を誇っていると言えますし、ユーザーが一挙にSiriに話しかけたらと考えると、できるだけiPhoneの中でSiriに処理させたい気持ちも分かります。

 SiriをサポートするHomePodというスピーカーも存在しています。直接的ではないものの、Amazon Echoと競合する存在と見ることができます。にもかかわらずApple Musicについては、競合製品でも使えるようにする対応をしたのです。

 アップルはハードウェア、ソフトウェア、サービスをできる限り連携させ、自社でベストな体験を設計できるように取り組んできました。一時期macOSが他社にライセンスされ、日本ではパイオニアやアキアがMac互換機を出していたこともありましたが、それも取りやめて自社でコントロールする方法に統一しています。

 一方、iPodはWindows版iTunesを用意することで大成功をおさめました。同時にiTunes Music Storeも、Windows版があったおかげで、デジタルダウンロードをCDに変わる音楽流通方法として定着させました。

 そう考えると、Apple Musicがアップルデバイスに閉じていること自体が、むしろこれまでのアップルの音楽ビジネスからして不自然に見えてきます。

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