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再生医療の実用化を目指す「RINK FESTIVAL 2019」でバイオベンチャーピッチ開催

2019年03月01日 16時00分更新

文● MOVIEW 清水 編集●北島幹雄/ASCII STARTUP 撮影●平原克彦

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心臓移植の代替え製品開発を目指す

 心不全の治療として心臓移植を必要とする重症患者は20~30万人いると言われているが、実際に移植できているのは年間40~50人となっている。これを解決するためiheart Japanでは、iPS細胞から細胞シートを作成、心臓移植の代替製品となるよう、開発を進めている。

 iheart Japanが開発しているGHM(ゼラチン・ハイドロゲル粒子)は心筋細胞、間質細胞、内皮細胞の3種類の細胞シートを作成し活用する。従来の移植細胞では時間が経つと消えてしまっていたが、ゼラチンを使うことによって長く残ることを、心筋梗塞を起こしたラットでの実験で証明しており、従来では1週間でなくなっていたが、12週まで観察しても残っていることが判明しているという。

iheart Japan 再生医療製品開発 プロジェクト・リーダー 藤田大樹氏

iPS細胞から細胞シートを作成し、ゼラチンを加えることで長期間残る移植細胞を作れる

細胞から分泌されるタンパク質のサイトカインが長期にわたって正着するため、持続的に組織修復を行なう

抗ウイルス薬を開発し、子宮頸がんを前がん状態で直す

 アジア、アフリカ、ラテンアメリカなどで増加傾向にある子宮頸がん。ヒトパピローマウイルスによる感染症で起こるこのがんは、若い女性での前癌状態(放置するとがんができる確率が高い)の症例が増えており、その期間も長い。そして前癌状態では治療薬がまったくないのが現状だ。

 がんの病状が進捗した場合にはじめて外科手術となり、そうしないと直らないこの子宮頸がんについて、キノファーマは前癌状態に対する薬を開発、膣錠によってウイルスをなくす取り組みを進めている。現在はヒトパピローマウイルスに取り組んでいるが、DNAウイルスであれば幅広く効果が見込めるとしている。

キノファーマ 取締役CFO 江口耕三氏

子宮頸がんの患者数と進行ステージ

キノファーマの製品で、DNAウイルスの増殖を阻害し、その活動を抑制することで前癌状態を治療する

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