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人生の目標は他人に決めてもらおう!人気ワークショップの驚く効果

文● ジャイアント佐藤(ダイヤモンド・オンライン

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他人に自分の目標を立ててもらう――ユニークなワークショップをご紹介します。
他人に自分の目標を立ててもらう、「タニモク」――自分の限られた知識や経験では決して出てこない案が、他人の目線を借りることで見えてくる

自分の経験だけでは
人生100年時代を生き抜けない

 よい目標は人生さえも変える。

 終身雇用が当たり前の時代は、働く場面での目標設定は必要なかった。上司や先輩から指示された内容を、そっくりそのまま早く習得すればよかったのだ。「上司のようになること」が、キャリアアップの最短コースだった。選択肢は常に1つである。

 しかし今は、かつての成功体験はまったく通用しなくなった。人生100年時代と言われている一方、会社の寿命は平均23.5歳まで下がっている。よって、1つの会社にしがみつくのではなく、転職をはじめ、副業をするなど様々な働き方を模索する必要がある。

 働き方が多様化し、自己責任の時代となった今においては、人生のターニングポイントで目標を設定し、選択することが非常に重要なのだ。

 よい目標を立てるためにはまずは自分自身、そして自分の状況を客観的に考える必要がある。しかし、これが意外と難しいのだ。人間とは主観的な生き物だ。殻にこもって考えると、どうしても感情というフィルターがかかり、自分を過大評価したり過小評価してしまう。

 また人生経験を積み重ねていく中で、自分自身に対して「決めつけ」をしてしまうこともあるだろう。

 そして「世の仕事を知る」ことも簡単ではない。自分の経験や交友関係で知り得た情報に基づいて考える以外に、選択肢がないからだ。しかし、自分が知らない職業や働き方はたくさん存在する。

他人の目線で目標を作ってもらう!
ユニークなワークショップに潜入

 そこで「目標を他人に立ててもらう」のはどうだろうか?それも、職業も立場も年齢も性別もバラバラ、かつ利害関係のない人たちに考えてもらうと、より多くの気づきがあるのではないか?

 そんなコンセプトで2018年9月からスタートしたワークショップが、パーソルキャリアが主催する「タニモク」だ。参加料はかからない。

 ワークショップとは参加者が対等な立場で自主的にアイディアを出し合ったり、話合いや議論をする会。参加者が受け身で受講するセミナーや講演との大きな違いだ。

 そこで今回は1月17日に東京都千代田区で開催された「『タニモク』100人会」に筆者自らが参加してきた。百聞は一見に如かずだ。

 まずは、この「タニモク」の大まかな流れを説明したい。

 会場に着いたらスタッフの誘導に従い席に着く。席は1つのテーブルに4人分ある。この4人が1組となり進めていくのだ。年齢層は20代から50代といったところだろうか。スーツの人も普段着の人もいる。

 ちなみに筆者のテーブルには以下のような方がいた。

A. 先日脳波検査に関連する会社を立ち上げた。またヨットでジブラルタル海峡を横断した経験を持つ。(30代男性)
B. 事務員として働く傍ら、芸術が大好きで世界中を旅するのが趣味。近日留学を予定している。(30代女性)
C. フリーランスの不動産業としてシェアハウスを管理する。1年で引越し5回。ヒッチハイクで福岡に帰省したりもする。(20代女性)

 筆者も含めて、この全くバックグラウンドの違う4人が対等に議論をして、相手の目標を設定するのだ。

本人の無意識を引き出して
他人が目標を立ててくれる

「タニモク」では、まずは主人公となる人が、自分の状況を他の3人に「絵」で説明する。上手い下手は関係ない。絵で説明することにより、その人の中にある「無意識」を引き出すのだ。また絵を描く制限時間は3分間。この限られた時間で描くことにも「無意識」を引き出す効果があるという。

 絵が仕上がったら、周りの3人は主人公にその絵について質問をする。この太陽は何を意味しているのか、なぜ絵の中の人物は悲しそうな顔をしているのかなど。質問タイムが終わったら、周りの3人がそれぞれ質問をして得た回答内容から、主人公の目標を決めるという流れだ。それを全員が順番で主人公になり4人分繰り返される。

 ポイントは主人公の目標を設定する際には必ず「私が○○さん(主人公の名前)だったら」と枕詞をつける。「こうすべき」「こうしなくてはいけない」という言い方になることを避けるためだ。そのような言い方になるとどうしても説教くさくなり、主人公が受け入れ難くなる。そうなるとせっかくの「タニモク」の重要なテーマである「フラットな関係」が失われてしまう。

 また「私が○○さん(主人公の名前)だったら」とつけることにより、周りの3人が主人公と同じ気持ちになることができる。それにより当事者意識を持って目標を立てることができるのだ。

 気軽に参加した筆者だが、自分では気づいていなかった子どもの頃の得意分野を急に発見でき、驚くべき目標が見つかった。他の3人も、全く自分が考えていなかった目標が出てきて驚いたという。これらの目標を参考に、最終的には自分で自分の目標を決める。

 最終的に同じテーブルになった3人とは仲良くなり、「6ヵ月後に皆で会おう!目標に対する振り返りの会をしよう!」と連絡先を交換して会場を後にした。

たくさんのところで
「タニモク」を活用してほしい

「目標設定は、実は楽しいものだということを世に広めたい」と話す三石さん

「タニモク」はパーソルキャリアだけが開催しているワークショップではない。ワークショプの進め方はWEBサイト上にマニュアルとして公開されており、誰でも開催することができるのだ。

「企業の研修やコワーキングスペースのイベント、学校の課外授業でも『タニモク』が活用されています。今後もいろんなところで『タニモク』を活用して前向きな目標設定を行ってほしいです。『フラットな話し合い』が最もポイントとなるため、企業なら役職や部署を超えて、学校だとクラスや学年を超えて行うのが最も効果的です」(パーソルキャリア「タニモク」ファシリテーター兼プロジェクトリーダー・三石原士さん)

(ジャイアント佐藤/5時から作家塾(R))


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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