このページの本文へ

米トランプ大統領、空軍傘下の「宇宙軍」創設を指示

2019年02月22日 07時00分更新

文● Erin Winick

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

トランプ大統領が2月19日に署名した大統領令は、宇宙軍を米国政府の新組織として創設するというトランプ大統領の当初の発表とは若干異なり、宇宙軍を米軍の6つ目の軍として空軍の管轄下に入れるつもりだ。

ドナルド・トランプ大統領は2018年6月、ペンタゴン(米国防総省)に対し、独立した軍として宇宙軍を創設するように指示したとの驚きの発表をした。大統領の発表の2カ月後、マイク・ペンス副大統領が、今後5年間で宇宙軍および宇宙の安全保障の予算として80億ドルを計上するよう議会に要請した。しかしペンタゴンの管轄下に完全に独立した新しい軍を創設するには、連邦議会での立法をはじめとする多くの手続きを踏む必要があるため、この動きはその後少しばかり停滞していた。

トランプ大統領が今回署名した大統領令は、国防長官に対し、米軍の6つ目の部門としての宇宙軍の組織と権限を確立させる法案をまとめるよう求めており、海兵隊が海軍の管轄下にあるのと同様、宇宙軍は空軍の管轄下に入るというものだ。大統領令ではさらに、宇宙軍の予算を大統領の2020年の予算要求に含めるよう求めている。

今回の大統領令に賛成する人々によると、米軍は監視衛星やGPS用衛星を打ち上げるなど、すでに宇宙に関与している一方で、特にロシアや中国と比べて宇宙に十分な関心を向けていないという。「我々の敵対国は、米国が彼らとうまくやって行く行かないはともかく、すでに宇宙に乗り出しています」。大統領令に署名しながらトランプ大統領はそう語った。「そしてそのことは、我が国の防衛のあり方に非常に大きく影響してきます。『攻撃』と言ってもよいかもしれませんが、ここはひとまず我が国の『防衛』ということにしておきましょう」。

一方、反対意見は、宇宙軍はすでに存在する組織と重複するという。さらに、宇宙軍の創設は非常に金がかかるだけでなく、宇宙の軍事化に拍車をかけることになると付け加える。

議会は大統領が署名した命令に基づいて、実際に行動を起こすか否かを選択しなければならない。新たな組織を創設するには議会の承認が必要になる。というわけで、まもなく議論が始まるはずだ。2020年の予算要求に対して具体的な予算配分の詳細が発表された後は、特に活発な議論が始まるだろう。

カテゴリートップへ

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ