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嫌われ役を買って出る謎の上司について行くべきか判断する2つの基準

文● 島野美穂(ダイヤモンド・オンライン

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40代、50代は「体罰上等」という価値観で育ってきただけに、無駄に嫌われ役を買って出る傾向にあります。
40代、50代は「体罰上等」という価値観で育ってきただけに、無駄に嫌われ役を買って出る傾向にあります Photo:PIXTA

職場に1人はいる、嫌われ役の上司。彼らは決まって「俺だって本当は嫌われ役なんてやりたくないんだよ…」などと口にするが、その言葉の真意とは?また、そんな上司に出会った際には、どう接していくのがベストなのか。会社の嫌われ役と相対したときの心得を、NASDAQに上場している外資系IT企業「ライブパーソン(LivePerson)」の日本法人代表として働く傍ら、多数のビジネス書籍を出版する金田博之氏に聞いた。(清談社 島野美穂)

体罰上等で育った世代にありがちな
「嫌われ役」を買って出る人たち

 これまで外資系企業だけでなく、日系企業にも勤めた経験のある金田氏。関わってきた上司や部下の数はざっと100人を超える。あるときは上司として、またあるときは部下として、様々な視点から組織の人間関係を見てきた。そんな金田氏は、社内の嫌われ役について、「意図的に嫌われ役を買って出たって、誰も得をしません。ただの損な役回り」と分析する。

「職場の緊張感を維持するために、“あえて”嫌われ役を買って出る人は、要するに、本音は嫌われたくないわけです」(金田氏、以下同)

 たとえば、飲み会などで「本当は俺だって嫌われ役はやりたくないんだよ」などと言われたことはないだろうか?あるいは、言ったことがある人もいるかもしれないが、金田氏いわく、「実はこれが最もダメなパターン」だという。
 
「嫌われ役を買って出ていると部下に話したところで、日々、嫌な思いをしているであろう彼らの留飲が下がるわけではありません。また、大抵そういう人は、無理して嫌われ役をやっているのが周囲にバレているものです」

 たとえ、根は良い人だと認識してもらったからといって、そんなことは本人の自己満足であって、組織にはなんのメリットもない。わざわざ率先して嫌われ役になる必要はないのだ。

 にもかかわらず、なぜ、「俺が嫌われ役にならなければ」という謎の使命感を持つ男性が少なからずいるのだろうか。その原因には育ってきたバックグラウンドが関係するのでは、と金田氏は分析する。

「ちょうど部下を持つであろう40代、50代という年齢は、体罰上等の学生時代を送ってきた世代です。だからといって、厳しく指導してきた先生や先輩を、『組織に必要な嫌われ役』だと思ってまねするのは大間違い。20代や30代の部下たちは、そんなバックグラウンドを持っていません。自分のカルチャーを押し付けるのは、単なる嫌われ者です。部下のためにも組織のためにもなりません」

 もし、あなたが部下を持つ上司で、オールドスタイルな考え方をしているという自覚があるならば、すぐさま改めるべきだ。部下とのギャップが生まれると、やがて信頼はなくなり、最終的に自らの評価を落とすことになりかねない。

嫌われ役には「悪性」と「良性」が
見分けるポイントとは?

金田博之(かねだ・ひろゆき)/1975年山口県下関市生まれ。大学卒業後、グローバルに展開する外資系大手ソフトウェア企業SAPに入社。以来、入社1年目で社長賞受賞、29歳で副社長補佐、30歳で部長に着任、35歳で本部長に昇格。世界全社10万人のなかのハイパフォーマンス(上位2%) を挙げた人物に7年連続で選抜される。2007年、INSEAD大学でエグゼクティブMBAを卒業。現在はNASDAQに上場している外資系IT企業「ライブパーソン(LivePerson)」の日本法人代表として働く傍ら、勉強会を定期的に開催し、参加者は累計1000人を超える。現役のサラリーマンでありながら、これまで8冊の書籍を出版。プレジデント、ダイヤモンド、東洋経済、日経ビジネスアソシエなど各種メディア掲載実績多数。オフィシャルメルマガは2017年にまぐまぐ大賞を受賞。 メルマガ:金田博之のたった一冊のノートで出世する「一流のグローバル人材」への確実な道

 とはいえ、金田氏いわく、意図的に嫌われ役を買って出るような人は少数派で、実際に現場でよく目にするのは、“結果的に嫌われる上司”だという。ここで重要なのが、その上司がただ単に嫌われて当然な人物なのか、それとも付いていく価値のある人物なのかを見分けること。

「一度嫌な出来事があると、感情的に『こいつは嫌な上司だ』と思ってしまいがちですが、そこで終わらせてはいけません。その人がどうして嫌われているのかを冷静に判断するのは、デキるビジネスマンの能力のひとつ。頭に入れておいてほしいのは、嫌われ役には、2つのタイプがいるということです。分かりやすく言うならば、良性と悪性の嫌われ役です」

 悪性は、自分視点かつ、短期的な時間軸で物事を見る傾向が強い。良性はその逆で、相手視点かつ、長期的な時間軸で物事を考えるという特徴がある。悪性の嫌われ役上司は、長い時間関わると、どんどん悪い方向へと進んでいくが、良性の嫌われ役上司は、最終的には良い結果をもたらしてくれるのだ。

「悪性良性を判断するには、その上司の口調を思い出してみること。『俺の~』『俺が~』が常に主語に来るなら、その人は自分軸で物事を考えるタイプかもしれません。加えて、1ヵ月以内の目標を意識して動くような短期的な時間軸を持っているならば、付いていくべき上司ではないかも」

 一方、「あなたの~」「お客様の~」が主語に来る場合は、相手視点で物事を考えるタイプ。叱責しているときの口癖を思い出すと特に分かりやすい。

 なお、この判断基準は、そのまま自分にも当てはまる。

「あなたが部下を叱責するとき、主語は誰になっているでしょうか?もし『俺に迷惑をかけてくれるな』と自分軸で怒っているようなら、あなた自身が、部下にとって“ただの嫌われ役”になってしまっているかもしれません」

悪性の嫌われ役上司は
自然淘汰されていくのが宿命

 嫌われ役の上司がいたら、冷静な頭で一度、仕分けてみてほしいと金田氏は言う。主語と時間の捉え方をチェックしてみると、頭にくるような発言でも、その真意に気づくことができるからだ。

「本当は良性の嫌われ役の上司なのに、悪性だと思って距離を置いているようでは、すごく損です。良性の嫌われ役上司に付いていけば、自分を成長させるチャンスにもなりますし、出世の道にもつながります。組織に身を置くビジネスマンならば、見抜く力も身に付けたいところです」

 では、運悪く、悪性の嫌われ役上司の下についた場合。対処法はあるのだろうか? 

「私自身の実体験から言うと、悪性の上司はよっぽどゴマすり上手でない限り、何もしなくてもそのうちいなくなります。尊敬されない上司のいるチームは、長く続きませんから」

 3年働いて、それでも悪性上司が消えないようであれば、そのときは自分が別の環境に移動することを考えたほうがいいかもしれない。自分自身が長期的な視点で物事を考えることも大事ということだ。

 あなたの職場にいる嫌われ役上司はどうだろうか?金田氏が勧めるチェック方法を活用して、ぜひ判断してみてほしい。


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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