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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第6回

VTECターボを搭載したホンダのコンパクトSUV・VEZEL TOURINGが快適すぎた

2019年02月19日 16時00分更新

文● 栗原祥光 撮影●栗原祥光

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「運転が楽しい」と心の底から思える走りの良さ

 パッと乗って感じるのは「質量感」や「剛性感」「手応え」といったポジティブな印象。女性が運転するには、ちょっと操作系に重さを感じるかもしれないが、逆にそれがしっかりした安心感としてドライバーに特別なクルマを扱っているという印象を与えてくれる。

 前方視界が十二分に広く死角が少ないためか、すぐに車両感覚が身についた。運転に不慣れな人でも、VEZELは比較的容易に運転できるだろう。これは意外と大切なことだ。

 低速からトルクフルなエンジンにCVTを組み合わせは、力強い走りと低燃費を高い次元で両立しているようで、出足に不満を感じることはない。シフトパドルも備えられているので、それを積極的に操った運転も楽しめる。

 気になる乗り心地は少し硬めの味付け。スピードバンプをトンと乗りこなし、揺り戻しがとても少ない。またコーナーリングの姿勢も大きくロールすることなく安定。全体的に絶対の速さで楽しむのではなく、普通に操って楽しいと思わせる味付けは、生理的な心地よさがあり、運転手をハッピーにしてくれる。

 また遮音性能が高いためロードノイズも少なく車内は静か。同乗者から不満が出ることはまずないだろう。

TOURINGの名前に偽りナシ

 関心したのは高速道路での走行だ。合流でアクセルをググっと踏み込むと、もたつくことなく、そして無闇にエンジンが唸り声をあげることなく、力強く加速していく。さらに巡航走行していても、車体はどっしり安定し直進安定性がすこぶる高い。追い越し車線における加速も力強いもので、ターボとVTECの恩恵を受ける。適度なエンジン音と少ない風切り音、そして安定感のある乗り心地は、どこまで遠くに行きたくなる。

 さらに高速道路の巡航をHonda SENSINGが運転手をサポート。車線の中央付近を維持するようにステアリング操作を支援したり、前走車との適切な車間距離を維持しながら追従走行する自動運転レベル2相当の運転支援なのだが、その効き方が実にマイルドで、ドライバーにそっと寄り添う雰囲気だ。長距離運転が快適でラク。ホンダがこのVEZELを「SPORT」ではなく「TOURING」と名付けた理由は、ここにあるのだろう。高速道路を利用した長距離ドライブを楽しむ方に、このVEZELは好適だ。

Honda DENSINGの機能説明

メーター内に表示された自動運転レベル2相当の表示

ホンダが放つ真のコンパクトSUV

 スポーツカーとミニバンを両立させたようなコンセプトのSUV。しかし世の中に出回るSUVの多くは、どちらかに偏る傾向が強い。VEZEL TOURINGは街中やちょっとした山道といった、日常生活レベルにおいてスポーツドライビングのフィールを充分に楽しむことができ、それでいてユーティリティーをしっかり確保した、SUV本来のコンセプトを小さなパッケージでまとめ上げた魅力ある1台だ。

 ホンダらしさがつまった、真のコンパクトSUVの誕生を心から喜びたい。

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